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奥村信一旧蔵資料を大学文書館で再受贈

 大学文書館では,12月10日(火),奥村信一(予科1926年修了,農学部林学科1929年卒業,工学部鉱山工学科1943年卒業)が旧蔵していた在学関係資料を,ご子息の奥村繁樹氏・奥村昌聰氏より再びご寄贈いただきました。
 このたび受贈した資料は,(1)ノート,(2)学修簿,(3)卒業論文の3点です。(1)ノートは,予科生時代のもので,三角法の公式ノートです。(2)学修簿は,農学部林学科学生時代のもので,当時の林学科における開講科目と担当教官を判別することができます。(3)卒業論文は,「北越鉱山硫砒銅鉱床ニ就イテ」と題され,手書きの原稿ノートと鉱区図などの多数の青図・地図が製本されています。この論文は,1942年10月〜1943年6月における北越鉱山(新潟県)での実習調査をとりまとめたものです。北越鉱山一帯は,粘土鉱物のベントナイト,硫砒銅(硫黄とヒ素が化合した銅の鉱石),硫黄の鉱床があり,奥村信一が悉皆調査した硫砒銅は北越鉱山の主要産物でした。大学文書館では,工学部旧鉱山工学科の実習報文(1926〜1997年)を1,605冊保管していますが,1943年は戦争による繰り上げ卒業が実施された影響か,同年卒業の学生報文は1冊しか現存が確認できていません。今回の卒業論文はその空白を埋める貴重な沿革資料であるといえます。
 大学文書館では,受贈資料を大切に保存すると共に,展示・資料見学会などで活用していきます。
学修簿と三角法公式ノート(1920年代)

学修簿と三角法公式ノート(1920年代)

卒業論文(1943年)

卒業論文(1943年)

(大学文書館)

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