役員便り

総長 山口 佳三

総長就任1年を省みて,
そして展望

総長 山口 佳三 (やまぐち けいぞう)

 昨年4月に総長就任以来,1年を経て通年の学事をこなし,ようやく総長として果たすべき職務の概観を得ることができたように思います。昨年4月早々には,北海道経済連合会における講演をはじめとして,いくつかの経済団体での会合に出席し,北海道産業競争力協議会では,議長役をも務めました。そこで強く感じたことは,北海道という地域社会における,北海道大学への期待です。


 今年度の本学の最大の課題は,平成28年度から始まる第3期中期目標・中期計画の策定であります。すでに,5月の教育研究評議会において報告したように,策定本部を立ち上げ,作業を開始しています。第3期に向けての計画立案の過程では,各部局のお考えを伺うべく私との対話の機会を持ちたいと考えていますので,ご協力のほど,お願いします。


 すでに,今年の年頭所感の中で報告していますように,昨年11月に出された文部科学省の「国立大学改革プラン」では,平成26・27年度の両年度は,改革加速期間と位置づけられ,文部科学予算のありようも平成26年度予算から変わってきています。この状況を受けて,本学でも昨年度末には,「北海道大学創基150周年に向けた近未来戦略―世界の課題解決に貢献する北海道大学へ―」を策定し,今年4月には,ホームページにも公開しました。この「近未来戦略」をベースに,第3期に向けた具体的な中期目標・中期計画をすべての構成員と共通認識を持ちながら,策定してまいりたいと思います。
 昨年秋以来,大学に対する要請が相次いでいます。中央教育審議会では,大学分科会が「大学のガバナンス改革の推進について」の審議まとめを出し,高大接続特別部会からは,「達成度テスト」についての審議経過報告が出され,まもなく審議まとめが出される予定です。すでに,「大学のガバナンス」については,この審議まとめを受けて,文部科学省が今国会に学校教育法と国立大学法人法の改正案を提出しています。法案成立の場合には,各大学法人の対応が求められます。また,「達成度テスト」についても,幾分トーンは弱まっていますが,教育再生実行会議での議論が概ね踏襲された内容が方向づけられるようです。国立大学協会でも,この話題をようやく議論しようとしていますが,対応が後手にまわっている感は否めません。この問題は,高校大学双方での議論の深まりが求められていると思います。皆さんが関心を持って議論されることを希望しています。
「北海道大学近未来戦略150」小冊子

「北海道大学近未来戦略150」小冊子
◆ホームページURL
http://www.hokudai.ac.jp/introduction/
information/hokudai_kinmirai.pdf

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