役員便り
教職員の表彰制度について
理事・事務局長 村田 直樹 (むらた なおき)
表彰制度の重要性
大学運営のツールとしては,規則の制定,予算措置,評価,監査等多様なものがありますが,表彰制度もその一つであり,近年その重要性は増しています。
今日,グローバル化の波が大学に押し寄せてきていますが,海外の大学では,様々な表彰制度を設けて,教職員を顕彰しています。このことは,本学と国際交流協定を締結している大学と教員や学生の交流をする際に,先方大学の教員等の履歴に「〇〇賞受賞」といった記載があるのをよく目にすることからもご理解いただけると思います。表彰を受けていることが業績として評価される,そのような風土・文化が海外では根付いています。
本学においても,表彰制度を整備して,教員等が海外で活動する場合にその受賞歴を明らかにして,その業績を適切に示せるようにすることが大切であり,その意味において,そうした取組はグローバル化対応でもあると言えます。また,教員以外の職員についても,その企画力や専門性を向上させることの必要性が指摘されている今日,職務への取組を積極的に評価して顕彰することが重要になっています。
本学における表彰制度
本学においては,法人化前から,学生に対しては,クラーク賞等多様な表彰制度が設けられていましたが,教職員については,永年勤続表彰など一部に限られていました。平成16年の法人化を契機として,本学では,永年職務に精励し功績のあった方に加えて,職務上における顕著な功績等があった方や職務外での人命救助やボランティア活動等により職員の模範となる善行を行った方に対して,表彰を行う制度を設けました。
(1)教員の表彰制度の充実
平成23年度からは,教育活動及び研究活動を通し,優れた功績を上げた教員に対して表彰する「総長賞」を設けました。同賞は,教員の教育研究意欲の向上を図り,もって本学の活性化と更なる発展に資することを目的とし,顕著な教育成果のあった方を表彰する「教育総長賞」と,顕著な研究成果のあった方を表彰する「研究総長賞」の2種類となっています。現行では,エクセレント・ティーチャーズに選出された方や,優れた論文等を発表し,将来,世界的な発展の期待される方等が対象者となり,教育と研究を併せて毎年15名程度が表彰されています。
(2)教員以外の職員の表彰制度
平成25年度からは,新たに教員以外の職員を対象として,業務改善等の取組を通し,優れた功績を上げた職員等を表彰する「教育研究支援業務総長表彰」を設けました。同賞は,職員の業務改善等への意識を高めるとともに,更なる業務処理の合理化・効率化・迅速化に役立てることを目的としており,業務改善等により貢献した場合と,それに関する提案を行った場合に,それぞれ職員個人又は業務組織を表彰するものです。主な対象となる功績としては,1)諸経費等の節約により,コスト低減に著しい貢献があったもの,2)業務効率の増進に著しい貢献があったもの,3)教育研究にかかる技術支援に著しい貢献があったもの,4)診療にかかる業務改善に著しい貢献があったもの,5)船舶の運航にかかる業務改善に著しい貢献があったもの,また,これらに関する提案のうち,貢献が期待できるものとなっています。選考は,事務部門,技術部門,医療部門,海事部門に区分して行い,その中から最優秀賞(1件),優秀賞(原則,各部門1件),奨励賞(10件以内)を決定します。初年度は各賞併せて15件が表彰されました。
提案に関する表彰については,本年度からの募集となっており,これについては,提案理由,具体的な手順,これまで当該提案が実施されなかった要因及び提案により得られる効果(費用面も含む)等を踏まえ検討を行った後,本年10月頃に決定する予定です。最優秀提案賞(1件)及び優秀提案賞(5件程度,部門の区分には拘らない)の選定を基本としつつ,若手職員(主任相当以下)の企画力を向上させる観点から,若手職員による優れた提案があれば,特別に表彰することとしています。
以上のように,本学では近年,表彰制度の重要性を踏まえて,その充実を図ってきたところですが,現在,山口佳三総長の指示を受けて,教員を対象とする表彰制度の拡充について検討が行われています。今後とも,他のツールと併せて,より円滑な大学運営を進める上で,表彰制度を活用していくこととしています。