訃報

名誉教授 齋藤  玲(さいとう あきら) 氏 (享年81歳)

齋藤  玲 氏  医療技術短期大学部名誉教授 齋藤 玲氏は,平成26年10月29日にご逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
 先生は,昭和8年3月15日に札幌で生まれ,同32年3月北海道大学医学部医学科を卒業され,北海道大学医学部第二内科に入局,同33年4月北海道大学大学院医学研究科に入学し,同37年3月同研究科を修了,医学博士の学位を授与されました。その後,東京医科歯科大学第一内科助手,岩見沢保健所勤務医師を経て昭和42年1月北海道大学医学部内科学第二講座助手に採用となりました。昭和45年9月より同46年10月まで,米国ハーバード大学チャニング研究所に留学された後,同49年5月北海道大学医学部附属病院第二内科講師に昇任され教育,研究及び診療に従事されました。昭和58年7月北海道大学医療技術短期大学部教授に昇任され,平成8年3月に停年退官,同4月に北海道大学医療技術短期大学部名誉教授の称号を授与されました。この間,コメディカルスタッフの育成に尽力し,また,北海道大学医学部及び歯学部の非常勤講師として,両学部学生の教育並びに臨床的研究を継続されました。
 学内においては,昭和60年4月から平成元年3月まで医療技術短期大学部主事,平成5年4月から同7年3月まで同部長を務められ,主事,部長の時期には北海道大学評議員として大学全体の運営にも関わっておられました。
 同氏の研究業績は,内科学なかでも感染症と化学療法の分野を中心に,感染症については臨床微生物学的アプローチを,化学療法の面では抗菌薬の体内動態の測定に重きを置いた臨床薬理学的アプローチによる研究をされました。また,インフェクションコントロールドクターの立場から,院内感染の防止対策の方面においても極めて重要な役割を果たされました。
 学外では,日本感染症学会,日本化学療法学会,日本臨床検査医学会,日本環境感染学会,日本臨床微生物学会等において評議員として活躍され,平成2年には第24回緑膿菌研究会会長,同3年には第38回日本化学療法学会東日本支部総会会長として学会を主催されました。
 退官後は,平成8年8月から社会福祉法人札幌緑花会大倉山学院院長に就任,同13年から同法人札幌緑花会緑ヶ丘療育園院長を務められ,重症心身障がい児・者の診療に携わられました。また,平成21年から同25年まで札幌緑花会理事長を務められました。
 ここに謹んで先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

(保健科学院・保健科学研究院・医学部保健学科)

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