名誉教授 山本 正(やまもと ただし) 氏(享年84歳)
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名誉教授 山本 正氏は,平成27年1月25日逝去されました。ここに生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。 先生は,昭和5年12月8日福島県に生まれ,同28年3月に北海道大学理学部動物学科を卒業,同年4月に北海道大学理学部助手となりました。昭和37年4月に講師,同40年3月に助教授,同51年3月に教授へと昇任され,平成6年3月停年により退職,同年4月に北海道大学名誉教授の称号を授与されました。 先生は,昭和28年にメダカの卵形成の細胞化学的研究に着手して以来,一貫して魚類における生殖細胞の形成及び受精の研究に従事してこられました。なかでも最も力を注がれたのは「卵膜の受精に果たす役割の解明」と「卵が発生を開始する仕組みの解明」に関するもので,これらの研究は,下等脊椎動物の受精機構の進化と環境への適応を考察する上で重要な知見を提供されました。学術的に優れた数多くの業績は高く評価され,平成25年秋,瑞宝中綬章を受章されました。 学内においては,教養課程教育協議会委員,教養部教務委員会委員長等を務め,大学行政においても多方面にわたり貢献されました。教養部学生の教育に尽力し,真剣に学生のことを考える温情あふれる指導により,学生から強い信頼を寄せられていました。また学部生,大学院生にも教育・研究指導を惜しまず,幾多の優秀な人材を世に送り出されました。また,学外では公益社団法人日本動物学会の評議員を務め,学会の発展に寄与されました。 以上のように,先生は動物発生学分野において多大な貢献をされ,多くの研究者の養成に尽力されました。 ここに謹んで先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 |