北の鉄道風景

(23)

雪を蹴る

2012.12.2 札沼線 豊ヶ岡(月形町)

2013.2.9 釧網本線 五十石〜標茶(標茶町)

 猛烈に発達した低気圧である通称「爆弾低気圧」が真冬の北海道に襲来する頻度が年々増え続けているような気がするのは筆者だけであろうか。爆弾低気圧が到来すると,太平洋側やオホーツク海側の少雪地方もドカ雪に見舞われることもある。降雪に加えて,猛烈な風が吹き荒れることで地吹雪が発生し,更にそれによって至るところに吹き溜まりができると,道路は通行止めになり,列車や飛行機は運休になるなどの交通障害が発生する。この写真を撮影した日も,北海道に爆弾低気圧が接近しており,釧網本線のあちらこちらに吹き溜まりができていた。吹き溜まりの雪を蹴散らしながら冬季限定の観光列車「SL冬の湿原号」が駆け抜けてゆく。

情報科学研究科 准教授 山本 学

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