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理学部で「ひらめき☆ときめきサイエンス〜ようこそ大学の
研究室へ〜」を開催

 理学部生物科学科(高分子機能学)では平成19年度から毎年,体験入学「ひらめき☆ときめきサイエンス」を実施しています。平成27年度は,7月25日(土)に理学部5号館学生実験室において,「DNA鑑定をしてみよう!! −DNAフィンガープリント法によるプラスミドDNAの分析・比較−」と題し,中学生,高校生を対象に実施しました。これは,環状プラスミドDNAをヒトDNAと見立てて,2種類の制限酵素によって処理して得られたDNA断片の電気泳動パターンを分析し,5人の容疑者の中から犯人を識別するというストーリーに沿い,DNA鑑定の模擬実験を行うものです。
 本プログラムは,科学研究費補助金「真核生物リボソーム生合成における5S rRNP複合体の形成機構と機能の解明」(研究代表者:姚 閔)の成果をもとに,中学生,高校生が大学の先端技術に触れることにより,科学のおもしろさを感じてもらうことを目的としています。事前の告知期間が短かったにも関わらず,定員を上回る参加申し込みがあり,当日は中学生16名,高校生5名の合計21名が参加しました。東京から駆けつけてくれた高校生もいました。
 開講の挨拶,オリエンテーションの後,科学研究費について,日本の優れた研究や技術は科学研究費によって支えられていることを説明しました。次に,簡単なDNAフィンガープリント法の原理についての授業を行った後,各班に分かれて,大学院生,大学生と一緒にプラスミドDNAの調製,アガロース電気泳動のゲル作製を行いました。
 昼食は5号館講義室にて,全員で仕出し弁当を食べながら,午後からの実験の話や大学生活の話などで盛り上がりました。昼食後は,研究施設見学ツアーを経て,実験室に戻り,DNAのアガロース電気泳動に入りました。午前中に調製したプラスミドDNAサンプルをアガロースゲルにアプライしようと,懸命にピペッターを操る中学生,高校生の姿が印象的でした。電気泳動後は,臭化エチジウム染色の後,いよいよ観察です。制限酵素によって切断されたプラスミドDNAの切断断片を分析し,犯人識別を試みました。さらに,生体内でのDNA三次元原子構造の観察をコンピュータ上で行いました。
 その後はクッキータイム(参加者との交流会)に入り,実験の感想や,来るべき大学生活についての抱負などを話し合いました。最後に,参加者に「未来博士号」の授与を行い,全員集合しての記念撮影の後,解散となりました。
 準備は非常に大変でしたが,参加者が夢中になって実験している様子や,熱心に質問する姿を見て,こんなにも科学に興味を持ってくれたのなら頑張った甲斐があったと感じています。
 実施にあたりご支援をいただいた実施分担者の先生方,事務担当者の方々,また事前準備や当日の実験補助に協力してくれた大学院生,大学生に厚くお礼申し上げます。
真剣にサンプル調製中

真剣にサンプル調製中

犯人を識別出来たかな?

犯人を識別出来たかな?

クッキータイム

クッキータイム

(生命科学院・先端生命科学研究院)

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