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錦秋の稲穂峠

2013.10.27 函館本線 然別〜銀山(仁木町)
函館本線の然別駅から銀山駅に至る界隈を地図で見ると,円弧状の山脈に沿って線路が敷設されていることが分かる。この山並は,赤井川村と仁木町の両町にまたがる赤井川カルデラの外輪山であり,函館本線や国道5号線が隧道によってこの山脈を横断する一帯は稲穂峠と呼ばれる。稲穂峠の中腹には,国道5号線に繋がる林道が伸びており,その林道には,函館本線を往く列車を俯瞰できる場所が幾つかある。写真は紅葉真っ盛りの稲穂峠,白煙を棚引かせながら山路を往くのはSLニセコ号である。この写真の撮影後,撮影地に程近い場所に,真新しい親子熊の足跡があるのを見つけて戦慄した。彼女らも汽車が走る光景を愛でるために出てきたのだろうか。
情報科学研究科 准教授 山本 学