新渡戸カレッジでは,高等教育推進機構及び国際本部の講義室を会場に本年度第2回目となる学内合宿を10月17日(土)・18日(日)に開催しました。本合宿は,日頃はそれぞれに分かれて学習するカレッジ生が一堂に集まり,多様な人々との協働を通して将来の「グローバルリーダー」に求められる資質を磨くことが目的です。
初日の午前10時30分に,全員が高等教育推進機構S2講義室に集合し,山口佳三校長から合宿の意義や目的の説明の後,「いつも以上に積極性をもって取り組んでください」という応援の言葉で合宿がスタートしました。また,来賓として,文部科学省から森田正信高等教育局高等教育企画課長と藤本佳奈国際企画室専門職がお越しになりました。森田課長からは「新渡戸カレッジは文部科学省が進める大学のグローバル化に対応する施策の中でも大変注目しており,今日は楽しみにしてきました。このようにフェローの方々がたくさん参画する取り組みは非常に有用であり,敬意を表する次第です。ぜひ尊敬する新渡戸先生のように,皆さん頑張ってください」とのご挨拶をいただきました。
引き続き午前中には,フェローと1・2年次新渡戸カレッジ生とのグループ・ミーティング並びに3年次新渡戸カレッジ生を対象としたフェローによる進路支援セミナーを実施しました。
午後からは,今回初の企画であるカレッジ生,フェロー,留学生,学部のカレッジ関係者が全員参加し,少人数グループを巡回しながらディスカッションを行う「ワールド・カフェ」形式の「新渡戸カフェ」を開催しました。留学生の中には日本語があまり得意でない人もいるため,状況に合わせて英語も使われていました。最初は少し戸惑う学生もいましたが,フェローが話題を盛り上げたり,留学生から意外な意見が出たり,それぞれの経験を踏まえた色々な意見が交換されるうち,話し合いは次第に活発になりました。参加後,カレッジ生からは「思いがけない意見がたくさんあり刺激を受けた」「留学生の人とも積極的にディスカッションできた」といった声が聞かれ,留学生からも「また参加したい」といった感想が寄せられました。その後,学生企画行事,フェローと学生の懇談会が行われ,初日のプログラムを終了しました。
合宿2日目は,ディベート研修を行いました。ここでは,ディベートの準備から本番までの活動を通してチームワークを磨くこと,特に2・3年生はリーダシップ力を磨くことが大きな目標です。さらに,公の場にふさわしい言葉づかいと態度で話す,論理的な思考を試みる,そして対戦を楽しむことにもチャレンジしました。
最初に,お手本としてフェロー6名による模擬ディベートが行われました。ディベートに参加するのが初めてのカレッジ生が多いなか,手順や雰囲気をつかむことができたほか,考え方の基本や話し方のコツなどについても具体的なアドバイスがありました。
次に,各グループに分かれ,リーダー,サブリーダーを中心に立論・質疑応答の準備が行われました。今回は「日本は裁判員制度を廃止すべきである−是か否か」をテーマとして行われ,あらかじめ下調べをしているカレッジ生が多く,立論の根拠は十分揃っているところが多かったようです。その上で,いかに効果的に論点を組み立てるか,どんな反論が予想されるか,それにどう対抗するか等,1時間15分をかけてじっくり話し合いを重ねました。
その後,ディベート本番は30分間と限られた中で,立論発表,作戦タイム,反対尋問,最終弁論と熱い議論が繰り広げられました。終了後,カレッジ生からは「上手く言葉にできなかった」「話が伝わっているか不安になった」「感情的になってしまった」などの意見もありましたが,「他の人のサポートの大切さを実感した」「密度の濃い時間を過ごせて楽しかった」等の達成感を得ることができたという意見が多数聞かれました。また,今後どのような点に気をつけるべきか,どのような力が必要か,各自が発見する機会ともなりました。