1月12日(火)には,内閣府総合科学技術・イノベーション会議の常勤議員である原山優子氏をお招きし,理学部7-310講義室で公開パネルディスカッション「科学技術イノベーションを駆動する人とは?」を開催しました。原山氏とプログラム生4名,石森浩一郎プログラムコーディネーターが,将来のイノベーション人材となる大学院生の多様性(年齢や性別など)のあるべき姿や,日本の大学院の教育システムの問題点などについて踏み込んだ議論を行いました。また,翌13日(水)にフロンティア応用科学研究棟5-12室で開催した特別講演会「地球規模課題に向き合う:大学のリーダーシップ」では,原山氏はプログラム生に「大学には,環境問題や貧困・感染症などの地球規模の課題に対してイニシアチブをとる人を育て,新たな価値観を生み出す役割が強く期待される。日本の大学組織には改善すべき様々な課題があるので,リーディングプログラムで俯瞰力を培ったフレッシュな学生がボトムアップ型のリーダーシップを発揮し,大学をより良いものにしていってほしい」と語られました。
3月10日(木)には,政策研究大学院大学教授・科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェローの有本建男氏をお招きし,理学部7-310講義室で公開パネルディスカッション「A Global Leader in the 21st Century(21世紀を担うグローバルリーダー)」を,翌11日(金)にフロンティア応用科学研究棟5-12室で特別講演会「Bridging Science, Society and Politics in the Changing World(変革する世界で科学・社会・政治を架橋する)」を開催しました。文部科学省で科学技術政策を,科学技術振興機構で科学技術の社会実装を推進されてきた有本氏は,科学と社会を語る中で科学をどう発展させていくか,また,これからの日本をどのように変えていったら良いかを繰り返しプログラム生に問いかけました。加えて,何か新しいことを行う際には仲間を増やすこと,チームで新しい科学を作っていくことが必要とのアドバイスを送りました。
当プログラムは,従来型の「学術志向に基づいた高度専門知識を有するリーダー」育成からの脱却を図るため,化学・物質工学・生命科学が融合した先端科学の圧倒的な専門力をベースに,分野を超えて本質を見通す秀逸な能力に基づいて物質科学フロンティアを開拓し,我々が直面する環境破壊,エネルギー危機,高齢化社会,食糧危機などの難課題の解決を自らの強い意志で先導できるAmbitiousリーダーを産学官で育成することを目的としています。科学を推進する政策に携わってきた両氏によって語られたメッセージは,プログラム生にとって大きな力となっていくことでしょう。
総合化学院総合化学専攻,生命科学院生命科学専攻,環境科学院環境物質科学専攻,理学院数学専攻,工学院量子理工学専攻に所属する大学院生を対象とする5年一貫の大学院教育プログラム。