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残照の中を

2012.9.2 日高本線 厚賀〜大狩部(日高町・新冠町)
走行中の鉄道車両が静止しているように見える写真を撮るためには,カメラのシャッターを開ける時間を非常に短くしなければならない。このとき,カメラの感光面に取り込まれる光量は少なくなるから,フィルムカメラを利用していた頃は,夕暮れや夜間などの暗い時間帯に鉄道車両の走行シーンを撮影することは困難であった。しかし,デジタルカメラの高感度性能の向上は著しく,それによって夕景や夜景の中を往く鉄道車両を高画質で撮影することが可能になった。写真は残照の中を駆ける日高本線の普通列車である。高波による線路被害で運休が続き,廃線の可能性も浮上している同線区に,再び列車が走る日はやってくるのだろうか。
情報科学研究科 准教授 山本 学