北の鉄道風景

(43)

黄葉の山路に挑む

2013.10.26 函館本線 小沢〜倶知安(共和町)

2013.10.26 函館本線 小沢〜倶知安(共和町)

 秋が深まるにつれて広葉樹の色付きが始まる。日照時間が短くなり,朝晩の冷え込みが厳しくなることで,葉に含まれる葉緑素の分解が進み,その際にアントシアンやカロテノイドなどの色素が生成される。それらによって落葉前の葉が鮮やかに色付き,私達の目を楽しませてくれる。赤い色付きはアントシアン,黄色になるのはカロテノイドに由来している。例えば道北の大雪山系では,木々の葉が赤くなる「紅葉」が目立つが,道央や道南では葉が黄色くなる「黄葉」が多いようだ。写真は黄葉の倶知安峠に挑む「SLニセコ号」である。同列車は2014年度で運行終了となった。黄葉の山路を駆けるSLの勇姿をもう二度と見ることができなくなったのは寂しい限りだ。

情報科学研究科 准教授 山本 学

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