訃報

名誉教授 米光 宰(よねみつ おさむ) 氏(享年86歳)

名誉教授 米光 宰 氏  名誉教授 米光 宰先生が平成29年2月23日にご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
 先生は,新設まもない北海道大学医学部薬学科に昭和31年5月に助手として着任されました。その後,昭和39年2月に東京大学において薬学博士を取得され,同年6月からアメリカ国立衛生研究所(NIH)の客員研究員として在外研究をされました。帰国後,昭和41年7月に北海道大学薬学部の助教授に昇任され,同43年9月,植物薬品化学講座の教授となられました。植物薬品化学講座は平成4年改組により精密合成化学講座となり,同6年3月停年退官されるまで同講座を担当されました。この間,北海道大学評議員,機器分析センター長,薬学部長等を歴任され,学外では学術審議会専門委員,日本学術会議化学研究連絡委員,日本薬学会理事,本学退官後には同会頭等を務められ,本学及び日本の薬学研究の発展に多大なる貢献をされました。
 先生のご専門は有機化学ですが,その内容は複素環化学,有機光化学,天然物化学等と極めて多岐にわたります。例えば有機光化学に関する研究では,現在主流となっている「電子移動光化学反応」の先駆的反応例を発見されました。また後年は生理活性天然物の全合成へと研究の軸足を大きくシフトされ,「DDQ酸化による非常に穏和な条件で脱保護できる保護基MPM(PMB)及びDMPM(DMB)の開発」,「マクロラクトン化における計算化学を用いた配座解析の活用」など,新しい方法論や一般性の高い新反応を開発しつつ,マクロライド及びポリエーテル抗生物質の高立体選択的全合成をいくつも達成されました。これらのご業績に対して,平成2年度日本薬学会学術賞が授与され,また「重点領域研究」(現在の「新学術領域研究」)「キラル分子の不斉合成」の研究代表者(同5〜8年)をお務めになられました。
 北海道大学をご退官後,平成6年4月に岡山理科大学理学部化学科教授に就任され,同14年3月の同大学定年退職後も同大学特任教授,同大学院非常勤講師を同18年9月まで勤められました。
 岡山理科大学をご退職後は札幌に戻られ,薬学部や同窓会の行事でお元気な姿をつい最近まで拝見しておりましたので誠に残念でなりません。
 ここに,先生の長年にわたるご貢献に改めて感謝し,謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

(薬学研究院・薬学部)

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