日本とガーナの関係は,野口英世博士の黄熱病研究に端を発し,以後,両国は長年にわたり友好な関係を築いてきました。政治的安定を確立し経済成長を続けるガーナには昨今,外資が集中し,日系企業の進出によって学生が日本留学経験を活かせる場も増えています。昨年,ガーナ大学において,日本で学位を取得したエベネザ・オドゥロ・オウス教授が初めて副学長(実質的な学長)に就任し,そのマネジメントに日本の大学出身者が多く起用される現状は,ガーナにおける日本の大学のプレゼンスを高める好機として期待されます。
本フェアでは,日本とガーナの高等教育分野における今後の交流の可能性について,参加者が意見交換を行う学術交流ワークショップと,日本留学に関する情報提供と相談受付を行う留学説明会を開催しました。日本の参加機関は,本学のほか,日本学生支援機構(JASSO),日本学術振興会(JSPS),金沢大学,京都大学,国際大学,東京医科歯科大学,三重大学,筑波大学(テレビ会議参加)で,本学の上田一郎理事・副学長ほか6名の教職員を含め,計20名が参加しました。
学術交流ワークショップには,大学の教職員を中心に約70名が首都アクラ市内外から集いました。まず,日本とガーナの学術交流の現状と展望について,ガーナ大学国際プログラムオフィス,JSPSナイロビ研究連絡センター,ガーナ大学野口記念医学研究所の各代表者にご講演いただきました。その後,全参加者が各々の専門分野に従い,農学,医学,獣医学,理学,経済学・国際関係学,日本語教育,学生支援,研究支援の計8グループに分かれて,大学間交流に向けた話し合いを活発に行いました。
留学説明会では,オウス副学長と上田理事・副学長による開会挨拶の後,吉村 馨駐ガーナ日本国特命全権大使から祝辞をいただきました。次に,ガーナ大学より昨年新設されたアジア研究センターの概要,JASSOより日本留学の概要,駐ガーナ日本国大使館より国費外国人留学制度,国際協力機構(JICA)ガーナ事務所よりアフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ「修士課程およびインターンシップ」プログラムについて,それぞれ説明がありました。続いて,ガーナ大学とガーナ中央銀行に勤める2名の日本留学経験者により,日本の学生生活に関する体験談が紹介されました。最後に,本学を含む日本の参加大学がそれぞれ,研究・教育の特色や留学制度を紹介し,留学を志す来場者の関心を惹きつけていました。
留学説明会ではまた,本学含む日本の参加大学,駐ガーナ日本国大使館,JASSO,JICA,JSPSのブースによる個別相談会を実施したほか,計21大学
本フェアの開催は,ガーナ大学の共催,駐ガーナ日本国大使館の後援のほか,駐日ガーナ共和国大使館,ガーナ教育省など,多くの関連機関のご協力のもとに実現されました。2月14日(火)には,本フェアのプレイベントとして,ガーナでトップレベルの成績を誇るプレスビテリアン男子高等学校の生徒約130名を対象に留学説明会を開催しました。
ルサカオフィスでは引き続き,教育機関,行政,援助機関や企業など多様なアクターと連携し,日本とアフリカ間の学術・学生交流を支援する活動を実施していきます。
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