【在学生インタビュー「同窓異曲」】

早坂 知夏
HAYASAKA Chinatsu
|医学部保健学科2年|



やらずに後悔するより、挑戦を

 100年以上続く北海道大学応援団の歴史の中で、初の女性団員として活動する早坂知夏さん。応援団の演舞に魅了され、好奇心のまま未知の世界に飛び込んだ。人との関わりを大切にしながら、日々挑戦を続ける早坂さんにお話を伺った。


―北大を目指した理由をお聞かせください。

 私は、神奈川県で生まれ育ちました。休み時間になるとすぐ外に遊びに行く、活発な子どもでした。中学校での職業体験をきっかけに看護師になりたいと思うようになり、その夢は今も変わりません。大学生になったら一人暮らしをしたいと思っていました。そうした希望と、自分の学力や将来のことを考えて北大に進学を決めました。


躍動感あふれる応援をする早坂さん。


―応援団に入った経緯をお聞かせください。

 入学式で初めて応援団の演舞を見て、格好良さに惹かれました。そのあと応援団の新歓で先輩の話を聞き、新歓の3日後くらいには入団を決めました。「やらないと後悔する」という気持ちが強かったのですが、今思い返すと、ボロ羽織を着た集団によく一人で飛び込んだなと少し思います(笑)。あとから聞いた話では、応援団はずっと男性だけでやってきたので、女性を受け入れるかどうか話し合いがあったそうです。でも、私が行った時はそういうことは一切見せずに対応してくれました。今も服装以外は、他の団員と同じように活動しています。


―応援団の活動について教えてください。特に心に残っている活動はありますか?

 基本的に練習は週3回あって、週末に競技応援があります。練習では、筋力や体幹を鍛えたり、マーチや応援歌、高下駄を履いて歩く「団長歩き」も行います。対小樽商科大学定期戦対面式や受験生激励ステージ、北大祭で行う「一万人の都ぞ弥生」といった、毎年の恒例行事もあります。2024年の対面式では、会場となった大通公園の使用許可をとるなど、関係各所との調整から当日の進行作成まで担当しました。本番は、式次第が滞りなく進むか多くの不安があったので、終わったときは心からほっとしました。とはいえ、たくさんの人が見に来てくださったのが本当にうれしかったです。七大戦も印象に残っています。他大学の陣地に乗り込んで「自分たちの大学が勝つぞ!」と言い合ったり、大学間の交流が盛んでとても楽しい思い出です。


―2025年は、七大戦が北大主管で行われますね。

 私は、七大戦実行委員会にも参加していて、主に開会式の準備に携わっています。2025年はたくさんの競技が北海道で開催されるので応援に行く機会も増えますし、一層忙しくなりそうで気合が入ります。


―応援団に入って良かったのはどのようなことでしょうか?

 人との関わりが増えたことです。応援を喜んでもらえるのもうれしいですし、普段私たちが応援している部活の方々が、応援団の演舞を見に来てくださるのもうれしい。そうした相互の交流がいいなと思います。


―逆に、大変さを感じることはありますか?

 たとえば、演舞では筋力を求められることがありますが、テクニックや見せ方など、研究次第できれいに演じることもできます。できないことや足りないものを悩むより、何ができるかを考えることが大事だと思っています。応援団の先輩との関わりの中で、「できないことばかりを見ていてもしょうがない」という考えが身に付きました。


―最後に、後輩へメッセージをお願いします。

 私は、やらずに後悔するより挑戦することを大切にしています。北大は、四季の風景がきれいなのも魅力ですし、受け継がれる伝統を感じられる素敵な大学です。皆さんも気になることがあったら積極的にチャレンジして、北大での学生生活を充実したものにしてください。

 ※七大戦…全国七大学総合体育大会の通称

PROFILE

神奈川県出身。2023年に北海道大学医学部保健学科へ進学。同年4月に北海道大学応援団に入団。100年以上続く応援団の歴史において女性団員は初めて。現在は準幹部として活動を続けている。将来の夢である看護師を目指して、学業にも励む。



前のページへ 目次へ 次のページへ