【卒業生インタビュー「同窓異曲」】

埼玉西武ライオンズ 投手
宮澤 太成
MIYAZAWA Taisei
|法学部卒業|



考えて、行動して、切り開いた
プロ野球への道

 2023年のプロ野球新人選手選択(ドラフト)会議において、埼玉西武ライオンズから5巡目で指名された宮澤太成さん。北大の現役学生がドラフト会議で指名されるという史上初の快挙に、学内は大いに湧きたった。現在は同球団と育成選手契約を結び、一軍の舞台を目指して奮闘中だ。学業と野球を両立させてプロ野球選手という道へ進んだ宮澤さんに、北大で得たことやこれからの意気込みを伺った。


―どのような幼少期をお過ごしでしたか?

 僕は長野県で生まれ育ちました。外遊びが好きで、小さい頃はよくスキーをしていました。父に東京ドームへ連れて行ってもらい、巨人戦を観たのがきっかけで野球に興味を持ち、地元の野球少年団に入りました。硬式野球を始めたのは中学生からで、高校2年の時に投手に転向しました。


―北大へ進学した理由、また、野球と学業の両立で心がけたことをお聞かせください。

 両親の教えもあり、好きなことばかりでなく他のこともバランス良くやるのが大切だと思っていて、小さい頃から勉強にも取り組んでいました。進学先を調べていた時、北大硬式野球部が2010年に全国ベスト8になっていると知りました。北大なら、野球も勉強もしっかりできると感じて進学を決めました。入学後は野球メインの生活でしたが、テスト前は図書館にこもって朝から晩まで勉強するなど、気持ちを切り替えることを意識していました。


―北大だからこそ、野球の面で身に付いたことはありますか?

 北大硬式野球部は、自主自律を大切にしているチームで、学生主体でその年の目標や練習内容を決めます。自分たちで何が必要かを考え、それをなあなあにせずにしっかり実践するので、自分で考えて行動するようになりました。キャプテンを務めた際には、個人の意見を尊重しながらチーム全員が納得して同じ方向を向けるように心がけ、大変ながらもやりがいを感じていました。


―職業としてプロ野球選手を目指したのは、いつ頃でしょうか?

 就職活動の時期になり仕事を決めるにあたって、やはり好きな野球を仕事にしたいと思いました。ずっと取り組んできたことですし、野球を仕事にできたら最高だな、と。独立リーグで1年間やって結果が出なかったら一般企業に就職するつもりだったので、少しですが就職活動もしていました。


―ドラフトで指名されたときは、どのような気持ちでしたか?

 正直、初めは信じられない気持ちでした。驚きの気持ちが大きくて「本当に自分が指名されたのかな?」と思いました。その後、周りの人たちから祝福されたり、取材を受けるようになって、プロ野球選手になれたことを実感するようになりました。


  硬式野球部時代、大和ハウスプレミストドームにて。


―今シーズンを振り返っての感想、来シーズンへの意気込みをお願いします。


 初めて一軍で投げたオープン戦のマウンドが印象に残っています。観客がいるベルーナドームでの登板は、プロ野球でプレーしているという実感がありました。来シーズンは育成契約になりますが、この1年の経験を糧に、一軍で活躍することを目指して頑張ります。



―最後に、北大生へメッセージをお願いします。

 大学生は、一人暮らしや就職活動など自分で意思決定する機会が多いと思います。選択する場面では迷いがあるかもしれませんが、心の底からやってみたいと思ったら、思い切って挑戦してみて欲しいです。僕も、本当にプロ野球選手になれるだろうかと不安がありましたが、その目標に挑戦して良かったと思っています。そして今も、一軍の舞台を目指して挑戦を続けている真っ最中です。非常に厳しい世界ですが、きっと生き残って活躍すると強く思って取り組んでいます。僕の姿を見て、皆さんも思い切った一歩を踏み出してもらえたらうれしいです。

PROFILE

長野県出身。2024年、北海道大学法学部卒業。北海道大学硬式野球部でピッチャーとして活躍した後、在学中の2023年、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスに入団。同年のドラフト会議において埼玉西武ライオンズから指名された。150kmを超えるストレートとフォークボールが持ち味の投手。



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