理系部局

○ 関係法規 医学部・教授・良村 貞子

1.授業の目的・内容

「関係法規」の授業は、医学部保健学科看護学専攻2年次学生を対象とした必修科目であり、看護学の専門科目です。科学技術の急速な進歩のもと、医療をめぐる状況は日々変化しています。例えば、高齢社会に対応すべく介護保険が導入され、安全安心な医療を確保する観点から、医療体制においても大きな変革が行なわれています。本科目は、看護職者が知らなければならない医療および看護に関連する制度や法律を学ぶことを目的としています。また、看護職者の法的責任について、最近の医療事故に関する新聞記事や裁判例を通して解説しています。その他、医療法、医療従事者の業務内容、薬事法規、予防衛生法規、保健衛生法規、労働基準法、個人情報保護法などを概説しています。

2.授業実施上の取組・工夫

本授業は講義形式のため、最初の1講目が大切と考え、学生が興味を持たざるをえないよう、まず医療事故の新聞報道や裁判例の解説から始めています。医療事故事例の分析場面では、看護職者が関わる医療内容が問題となるため、既習の看護専門科目の知識・技術を確認し、今後学習する薬剤管理等の専門科目の重要性を認識する場となります。

講義中心の授業では、学生が集中し続けることは難しいので、できるだけ質問を多くするようにしています。なお、質問時には、あまり緊張させずに、多くの学生から回答を得るよう、また、否定的なコメントを最小限にし、類似の質問を繰り返すなどの工夫をしています。質疑応答を繰り返すことで、自分の意見を述べることの大切さも強調しています。

さらに、感染に関する法律では、SARS(重症急性呼吸器症候群)などを取り上げ、各医療施設の役割や医療従事者が持つべき知識・技術等についても具体的に解説するように努めていています。2年次後期以降に開講される看護専門科目での学習内容にも言及することで、看護学の体系に関する理解も深めることができるよう努力しています。

評価の一部として、定期試験のほか、15分程度の小テストを中間で行ない、学生の理解度を確認しながら、授業を展開しています。また、毎回、授業の到達目標を示し、Power Point、教科書、講義資料を適宜用いることで、重要な部分が理解されやすいように工夫しています。

3.その他

本授業において、学生からの評価が一番高かった項目は「教員の熱意が伝わってきた」でした。しかし、話すのが速いとのコメントもありましたので、熱意がスピードに表れてしまったのではないかと反省しています。学生からの「最初は法律の勉強で嫌だったけれど、実際に起こった事件なども一緒に話してくれたので、わかりやすかった」「自分達にとても関連のある授業で興味をもった」との意見をうれしく思いました。今後は、少しゆとりを持った授業展開に努力したいと考えています。


top先頭へ戻る