○国立大学法人北海道大学治験取扱規程

昭和58年6月14日

海大達第23号

(趣旨)

第1条 北海道大学病院(以下「病院」という。)における治験の取扱いについては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)その他関係法令に定めるもののほか、この規程の定めるところによる。

2 治験は、病院の教育研究上有意義であり、かつ、本来の教育研究に支障が生ずるおそれがないと認められる場合に限り、行うものとする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 治験 病院が外部から委託を受けて行う医薬品及び医療機器の臨床研究(医薬品及び医療機器の使用成績調査及び製造販売後臨床試験を含む。)で、これに要する経費を委託者が負担するものをいう。

(2) 治験薬等 医薬品及び医療機器で治験に使用するものをいう。

(4) 知的財産権 職務発明規程第2条第3号に規定する知的財産権をいう。

(5) 出願等 職務発明規程第2条第6号に規定する出願等をいう。

(6) 知的財産権の実施 職務発明規程第2条第7号に規定する知的財産権の実施をいう。

(受入れの条件)

第3条 治験を受け入れる場合は、次に掲げる条件を付すものとする。

(1) 治験は、委託者が一方的に中止することができないこと。

(2) 治験の結果、知的財産権が生じた場合には、これを無償で使用させ、又は譲与することはできないこと。

(3) 治験に要する経費により取得した設備等は、返還しないこと。

(4) 止むを得ない理由により治験を中止し、中断し、又はその期間を延長する場合においても、北海道大学(第6号において「本学」という。)はその責を負わず、治験に要する経費は、原則として委託者に返還しないこと。

(5) 治験に要する経費は、委託者が当該治験の開始前に納付すること。

(6) 治験の実施に起因して第三者に損害が発生し、かつ、本学に賠償責任が生じたときは、その損害が本学の職員の故意又は重大な過失による場合を除き、その損害の賠償については委託者が負担するものであること。

(受入れの手続)

第4条 北海道大学病院長(以下「病院長」という。)は、治験の申込みをする者に、別に定める申込書を提出させるものとする。

(受入れの決定等)

第5条 病院長は、前条の申込みを受けたときは、当該治験を担当する診療科又は中央診療施設等の長(以下「診療科等の長」という。)に通知するものとする。

2 診療科等の長は、前項の通知を受けたときは、委託者から提供された情報等により、当該治験を実施することの倫理的及び科学的妥当性について十分検討し、受入れの諾否について病院長に報告するものとする。

3 診療科等の長は、前項の場合において、受入れを承諾するときは、教授、准教授、講師、助教及び助手(国立大学法人北海道大学特任教員就業規則(平成18年海大達第35号)第3条第2号に該当する特任教員のうち、特任教授、特任准教授、特任講師、特任助教及び特任助手の職にある者を含む。)(医師又は歯科医師の免許を有する者に限る。以下この項において「教員」という。)のうちから、当該治験に係る業務を統括する者(以下「治験責任医師」という。)を定めるとともに、必要に応じ、教員又は医員のうちから治験責任医師の指導の下に治験に係る業務を分担する者(第8条第1項において「治験分担医師」という。)を定めるものとする。

4 病院長は、診療科等の長から受入れを承諾する旨の報告を受けたときは、次条に規定する委員会の意見を聴いた上、受入れの諾否を決定するものとする。

(委員会)

第6条 病院に、治験に関し、妥当性、有用性及び安全性等について総合的に調査審議を行うための委員会を置くものとする。

2 前項の委員会に関し必要な事項は、病院長が別に定めるものとする。

(受入れ決定の通知及び契約)

第7条 病院長は、治験の受入れを決定したときは、速やかに委託者と契約を締結するとともに、契約締結後その旨を診療科等の長を経て治験責任医師に通知するものとする。

(安全の確保及び人権の保護)

第8条 診療科等の長並びに治験責任医師及び治験分担医師(以下「治験責任医師等」という。)は、治験の実施に先立ち治験の対象となる者(健常人の場合を含む。以下「被験者」という。)を選定するに当たっては、人権保護の観点から、治験の内容に応じ、被験者の健康状態、症状、年齢、性別、同意の能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮の上、当該治験に参加を求めることの適否について慎重に検討するとともに、被験者の安全確保のための方策について適切な配慮をするものとする。

2 治験責任医師等は、同意の能力を欠く者については、当該治験の目的上、被験者とすることが止むを得ない場合を除き、被験者としないこととする。

3 治験責任医師等は、治験に参加しないことにより不当な不利益を受けるおそれがある者を被験者に選定しようとする場合は、当該者の同意が自発的に行われるよう十分な配慮を行うものとする。

4 治験責任医師等は、第6条に規定する委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づく病院長の指示及び決定が文書で通知される前に、被験者を治験に参加させてはならない。

(被験者の同意)

第9条 治験責任医師等は、治験の実施に際し、被験者に対して当該治験に係る次の事項について文書により十分説明を行い、被験者の自由意思による同意を得るものとする。ただし、被験者が同意の能力を欠く等により、被験者の同意を得ることは困難であるが、当該治験の目的上、それらの被験者を対象とした治験を実施することが止むを得ないときは、その親権者又は後見人等の同意を得るものとする。

(1) 治験が試験を目的とするものである旨

(2) 治験の目的

(3) 治験責任医師等の氏名、職名及び連絡先

(4) 治験の方法

(5) 予測される治験薬等の効果及び予測される被験者に対する不利益

(6) 他の治療方法に関する事項

(7) 治験に参加する期間

(8) 治験への参加をいつでも取り止めることができる旨

(9) 治験に参加しないこと又は参加を取り止めることにより被験者が不利益な取扱いを受けない旨

(10) 被験者の秘密が保全されることを条件に、モニター、監査担当者及び第6条に規定する委員会が原資料を閲覧できる旨

(11) 被験者に係る秘密が保全される旨

(12) 健康被害が発生した場合における病院の連絡先

(13) 健康被害が発生した場合に必要な治療が行われる旨

(14) 健康被害の補償に関する事項

(15) その他治験に係る必要な事項

2 前項の同意は、文書によるものとし、その保管は薬剤部長が行うものとする。

(診療録への記載)

第10条 治験責任医師等は、治験の実施に関する事項を診療録に記載するものとする。

(治験薬等の管理)

第11条 治験薬等の管理責任は、病院長が負うものとする。

2 病院長は、治験薬等を適正に管理させるため、治験薬等を管理する者(以下この条において「治験薬等管理者」という。)を置き、薬剤部長をもって充てる。

3 治験薬等管理者は、実施されるすべての治験の治験薬等を管理するものとする。ただし、治験薬等管理者において補助者を置く必要があると判断される治験薬等について、治験薬等管理者は治験薬等管理補助者を置くことができる。

4 治験薬等管理者は、別に定める受払簿により、治験薬等の受払状況を記録するものとする。

(記録等の保存)

第12条 病院長は、治験に関する記録等(第9条の規定による同意文書を含む。以下同じ。)を適切に保存するため、その種類ごとに記録保存責任者を定めるものとする。

2 前項の記録等の保存期間は、関係法令の定めるところによる。

3 前項の規定にかかわらず、病院長は、委託者と協議の上、記録等の保存期間を延長することができる。

(中止、中断又は期間の延長)

第13条 治験責任医師は、治験を中止し、中断し又はその期間を延長する必要が生じたときは、当該診療科等の長を経て、直ちに病院長に報告しなければならない。

2 病院長は、委託者が治験の中止、中断若しくはその期間の延長又は治験薬等の開発の中止を通知してきたときは、当該診療科等の長を経て治験責任医師に対し、速やかにその旨を通知するものとする。

3 病院長は、治験を中止し、中断し又はその期間を延長する必要を認めたときは、第6条に規定する委員会の意見を聴いた上、その可否を決定するものとする。

4 病院長は、治験の中止、中断又はその期間の延長を決定したときは、委託者に通知し、委託者と協議の上、変更契約を締結するとともに、診療科等の長を経て治験責任医師に通知するものとする。

(発明等の届出等)

第14条 治験に係る発明等の届出、出願等及び知的財産権の実施等の取扱については、職務発明規程の定めるところによる。

(完了手続)

第15条 治験責任医師は、治験を完了したときは、当該診療科等の長を経て、別に定める完了報告書により病院長に報告するものとする。

2 病院長は、前項の報告を受けたときは、第6条に規定する委員会に通知するものとする。

第16条 委託者に対する治験の完了の通知は、別に定める完了通知書により病院長が行う。

(雑則)

第17条 この規程に定めるもののほか、治験の取扱いに関し必要な事項は、病院長が定める。

この規程は、昭和58年7月1日から施行する。

(平成元年5月29日海大達第28号)

この規程は、平成元年5月29日から施行する。

(平成4年6月24日海大達第31号)

この規程は、平成4年7月1日から施行する。

(平成5年6月23日海大達第29号)

この規程は、平成5年6月23日から施行する。

(平成7年12月20日海大達第71号)

この規程は、平成7年12月20日から施行する。

(平成9年3月19日海大達第4号)

この規程は、平成9年4月1日から施行する。

(平成10年1月28日海大達第2号)

1 この規程は、平成10年1月28日から施行する。

2 この規程の施行前に、改正前の北海道大学医薬品等受託研究取扱規程第4条の規定による申込みがあった受託研究については、なお従前の例による。

(平成10年7月15日海大達第50号)

この規程は、平成10年7月15日から施行し、平成10年4月1日から適用する。

(平成15年9月17日海大達第78号)

この規程は、平成15年10月1日から施行する。

(平成16年4月1日海大達第210号)

この規程は、平成16年4月1日から施行する。

(平成17年8月3日海大達第206号)

この規程は、平成17年8月3日から施行し、平成17年4月1日から適用する。

(平成19年4月1日海大達第49号)

この規程は、平成19年4月1日から施行する。

(平成23年4月1日海大達第62号)

この規程は、平成23年4月1日から施行する。

(平成27年3月19日海大達第13号)

この規程は、平成27年3月19日から施行し、平成26年11月25日から適用する。

国立大学法人北海道大学治験取扱規程

昭和58年6月14日 海大達第23号

(平成27年3月19日施行)

体系情報
第4編 学術国際
沿革情報
昭和58年6月14日 海大達第23号
平成15年9月17日 海大達第78号
平成16年4月1日 海大達第210号
平成17年8月3日 海大達第206号
平成19年4月1日 海大達第49号
平成23年4月1日 海大達第62号
平成27年3月19日 海大達第13号