平成14年11月19日(火)に学術交流会館小講堂において,第2回シンポジウムを開催しました。シンポジウムのタイトルは「北東ユーラシアでの持続可能な開発と環境保全〜その展望と課題〜」で,民間の研究グループ次世代の北東ユーラシアネットワーク形成に関する調査研究会と共同で開催し,シンポジウムには約100名の方が参加しました。
開発と環境保全という一見すると相互に相容れない課題を残したまま,一方で経済の自立を目指す発展途上国と,ゼロ成長のもとでの成熟した社会の確立をはかる先進諸国との間には,環境保全への姿勢に大きな隔たりが存在します。
開発優先による環境の劣化については,我が国は深刻化した公害の多発を経験したところです。発展途上国が,調和を保った開発を進めながら一方で環境を保全するという道を進むには,先進諸国の苦い経験を生かす必要があり,その糸口となるのが,持続可能な開発という基本方針です。
天然資源やエネルギー資源が豊富な北東ユーラシア地域でも,そこから収奪的な開発が進行すれば,確実に環境が損なわれます。そこで今回のシンポジウムでは,北東ユーラシア地域を対象とし,持続可能な開発と環境保全をどのように調和させるかについて,様々な分野からの情報を得て,包括的に検討することを目指しました。持続可能な開発の歴史的な流れの総括を御専門とする国際連合大学 鈴木基之副学長による基調講演,その他エネルギー開発,森林保全そして経済交流という3つの側面から,北東ユーラシア地域での持続可能な開発と環境保全の現状を各専門の方々に報告いただきました。
問題点を総括しながら,北海道との関連付けを行い,将来展望について総合討論で議論を深めることができました。当日のプログラムは以下のとおりです。
基調講演 |
持続可能な開発とは |
鈴木基之(国際連合大学 副学長) |
環 境: |
シベリア森林資源の保全 |
天野正博((独)森林総合研究所) |
柿澤宏昭(本学大学院農学研究科) |
エネルギー: |
天然ガス開発とパイプライン |
朝倉堅五((株)エコ&エナジー) |
赤川 敏(本学大学院工学研究科) |
経 済: |
北海道とロシア経済協力 |
富樫 巧((社)北海道総合研究調査会) |
吉田文和(本学大学院経済学研究科) |
総合討論 |
(北ユーラシア・北太平洋地域研究センター)
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