寄稿

総長の韓国・江原大学校訪問に随行して

総務部国際交流課長 川野辺   創


 去る6月12日,札幌からの直行便でソウル・インチョン空港に降り立ってから東へ車で3時間弱。中村睦男総長,権錫永(クォン ソクヨン)文学研究科助教授,私の3人は,車窓から,韓国に流れる主要河川のひとつである漢江(ハンガン)沿いの美しい景色を眺めながら,江原(カンウォン)大学校(以下,江原大学)のある春川(チュンチョン)市に到着しました。
 春川市は,人口25万人。「湖の街」とも呼ばれるほど多くの(人工の)湖に囲まれ,また,山にも近く,自然環境に恵まれた街です。ソウルの中心部から車で2時間程度ということもあり,レジャースポットとしても人気があるそうです。
 江原大学は,本学と同様農学を基盤に創設され,現在では本学とほぼ同数の学生を要する総合大学で(別記事参照),韓国にある43国立大学中の10拠点大学(各地域の中心大学)のひとつに指定されている有力大学です。特に,近年は,大学発展計画の推進実績の面で,2年連続で教育人的資源省により優秀大学に選定されるなど,国内でもその発展ぶりが評価されています。
 6月13日は,その江原大学と本学との交流にとって記念すべき日となりました。キャンパスに,「中村総長歓迎」の旨の横断幕が掲げられる中,Park, Yong Soo総長との懇談,先方の幹部ご列席の下での大学間交流協定の調印式,先方からの大学紹介に続き,中村総長による「国立大学法人化と北海道大学の課題」と題した講演が,多数の教職員を前に講堂にて行われました。
 この講演を挟んで,地元のマスコミ3社による取材があるなど,両大学の協定締結と中村総長の講演は韓国側の関心を集めました。また,夕方には,創立56周年と交流協定締結の両方のお祝いを兼ねたガーデンパーティが,大学ゲストハウスの庭において,100人以上の関係者が列席して盛大に行われました。
 江原大学とは,これまで本学農学部が活発な交流を続けてきていることもあり,本学の修士課程,博士課程等で勉学・研究経験のある方々による同窓会が組織され,Hwang, Byung Ho会長をはじめ18名もの会員が在籍しています。前総長のHa, Seo Hyun教授のほか,学部長歴任者が3名もいるなど,要職に就いている会員も少なくありません。6月14日,この同窓会主催による歓迎朝食会が開かれ,北大との交流を今後とも積極的に支援したい旨の発言を耳にしたのは,交流担当者としてありがたく,また,心強い限りでした。
 江原大学は,BEST-KNU(Bring Excellent Students to Kangwon National University)という奨学金プログラムなどを通じて,優秀な学生を世界各国から受け入れることに力を注いでいるようです。25もの英語によるコースが用意されているほか,6ヶ月間の韓国語集中コースも用意されています。多くの日本人の場合,後者のコースを履修すれば,韓国語の授業にも何とかついていける程度の語学力を身につけることができるとのことです。韓国という隣国との協力関係を一層強固なものとするためにも,江原大学との交流の活発化が期待されます。

江原大学校 首脳陣との会談
江原大学校 首脳陣との会談
中村総長の講演
中村総長の講演
盛大なガーデンパーティー
盛大なガーデンパーティー

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