| 教育学研究科連続シンポジウム「特別支援教育を具体化するために−人・地域・ネットワーク形成−」最終回 |
3月13日,北大学術交流会館において,教育学研究科主催による「特別支援教育を具体化するために−人・地域・ネットワーク形成−」の最終シンポジウムが開かれました。
この連続シンポジウムは,昨年11月23日に第1回を開催しました。そこでは,教員,児童相談所の職員,行政の方による「十勝地方の実践」を報告し,2回目は,本年2月18日に,石狩の教育委員会と上富良野の言葉の教室の方々と,この研究プロジェクトの代表である田中康雄教授による「連携の実際」を報告しました。それぞれ,休日にも拘わらず100名前後の方々に参加していただきました。
3回目は,この研究プロジェクトの総括として,「特別支援教育と地域連携−子どもと親たちの視点から−」という総合タイトルで,参加者100名以上のなか,3名の道外の方々をお呼びして開催いたしました。
特別支援教育は,ともするとシステム先行,理念優先となりがちですが,忘れていけないのは,中心にいるのは常に子どもたちであり,保護者であるという視点です。
連携が,そうした当事者不在の囲い込みの動きにならないよう,充分に留意したものになるように,今回子どもたちの声の代弁者と,子どもたちと保護者にもっとも近いところでお仕事をされている方々に集まっていただきました。
当日は,田中教授の司会によりシンポジウムが開催されました。
最初に,東京の「社会福祉法人みきの家 わかくさ保育園」で主任保育士をされている影山竜子さんが「就学前からの個別対応とは:保育園における取り組み」と題して,自らの保育園の実践を報告されました。影山さんは,子どもたち同士の学び合いと支えあいを大切に,異年齢保育,個々の状況に応じた保育を実践されてきました。その結果,特別支援教育の方向性が打ち出される以前から,個々への対応を実践してきました。綿密なチームミーティングと子ども評価を加え,個々の育ちに寄り添った保育の実践は,参加者から羨望(せんぼう)と期待を込めた大きな拍手に包まれました。
次は,「子どもたちの今:ノンフィクションライターの目を通して」という題で,品川由香さんに,子どもたちの声を話していただきました。品川さんは,発達障害のある子どもたちが家庭や学校という生活の場で,どのような思いを抱いているか,取材を続けています。品川さんの軽快かつ歯に衣(きぬ)着せぬ話しぶりに参加者は引き込まれ,最後には「生きにくさ」を抱えていると言われている子どもたちの心の叫びと,まだまだ関心の乏しい教育現場の声に,共感と憤りを抱きつつ,真剣に今後の大人としての責任の取り方を学び合ったように思われます。
昼の休憩を挟み,最後に「NPO法人 えじそんくらぶ」の高山恵子代表が,障害への向き合い方,障害観が語られました。特に,再三語られた「いずれ,どこかで出会う家族以外の第三者」の役割の重要性については,品川さんの報告とも重なりました。今後,この第三者の存在こそが「連携」のテーマにもなるのではないだろうかという予感さえ抱かせました。
3名のシンポジストの報告を受けて,北海道大学大学院教育学研究科 教育社会学グループの宮崎隆志助教授が,それぞれの論旨を手際よくまとめながら,総合討論が行われました。
終了時間をオーバーする位に,参加者との討論も熱気にあふれていました。
この3回のシンポジウムについては,後ほど報告集として刊行する予定でおります。
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| 2回目のシンポジウムの様子 |
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| 3回目の,熱気にあふれた総合討論の様子 |
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| (教育学研究科・教育学部) |
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