訃報
教授 田中 信壽(たなかのぶとし) 氏(享年61歳)
教授 田中 信壽(たなかのぶとし) 氏(享年61歳)

 工学研究科教授 工学博士 田中信壽氏は,病気加療中のところ,平成17年3月10日(木)ご逝去されました。ここに先生の生前の御功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
 先生は,昭和19年1月19日大阪に生まれ,昭和41年3月に京都大学工学部化学工学科を卒業,昭和43年3月に同大学大学院工学研究科修士課程を修了された後,昭和43年に同大学院工学研究科博士課程に入学し,昭和46年に単位取得退学されました。京都府衛生工学研究所研究員,主任研究員を経て,昭和54年11月に北海道大学工学部衛生工学科清掃工学講座助教授に就任されました。平成2年4月に同講座教授に昇任され,衛生工学関連諸教科の講義を担当されるとともに,学生の研究指導にあたり,多くの技術者,研究者を育成されました。平成16年からは環境保全センター長を務められました。
 先生はわが国における廃棄物処理処分研究のリーダー的存在であり,特にライフワークとされていた最終処分場に関しては,本学着任当時,現場調査,分析報告などが中心であった研究に,理論・解析手法を取り入れ,科学的アプローチで研究を進め,その後の廃棄物研究に大きな影響を与えました。また研究対象は廃棄物処理全般に及び,焼却,リサイクルなどの研究者と情報交換を行い,常にわが国の廃棄物処理全体を視野に入れておられ,論文,著作,講演を通じて廃棄物処理システムがどのようにあるべきかの提案をなされていました。これらの業績に対し,平成4年,平成13年に廃棄物学会から論文賞,平成14年に同じく著作賞,平成15年に土木学会から論文賞が贈られています。
 先生は廃棄物学会の創設に尽力され,理事,副会長を経て,平成16年4月からは学会長を務められておりました。また,日本学術会議エネルギー・資源工学研究連絡委員会委員,通産省産業技術審議会エネルギー・環境技術開発部会リサイクル技術分科会委員のほか,環境省各種審議会委員,北海道環境審議会委員長,札幌市環境審議会委員長など,各種学会や委員長の要職を歴任され,学術,廃棄物行政の発展に多大な寄与をされました。
 先生は教育,研究,学内外の活動,すべてに対して全力を尽くされました。北海道大学の廃棄物研究を国内有数のレベルに押し上げ,多くの卒業生が廃棄物の分野で活躍しています。廃棄物埋立の研究では,未来のあり方に関する研究会の中心として,全体を引っ張ってこられ,ご自身の研究も仕上げの段階にかかろうとしているときでした。志半ばで倒れられた先生の無念は想像に難くありません。また優れた廃棄物研究者,教育者としての先生を失った損失は,計り知れないものがあります。ここに先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

(工学研究科・工学部)


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