電子科学研究所で“微”に関する国際シンポジウムを開催 |
電子科学研究所(Research Institute for Electronic Science, RIES)では,12月11日(月)と12日(火)の2日間,国際シンポジウム『The 8th RIES-Hokudai International Symposium on “微”』を,本学学術交流会館において,100名を超す多くの参加者を得て開催しました。
従来からRIESでは,毎年1回,1つの漢字で表されるコンセプトをテーマに,それに関連する様々な領域で活躍する第一線の研究者に招待講演をお願いし,領域を越えたInterdisciplinaryあるいはTransdisciplinaryな研究交流を推進することを目的として,国際シンポジウムを開催してきました。今年で8回目を迎え,今やRIESの伝統ともなっています。
今回のテーマは,“微”でした。それは,現在のRIESの主な研究ターゲットが,光・分子・生命に関(かか)わる「複合領域ナノサイエンス」であるからです。“微”が科学の領域で用いられる時,それはしばしば「マイクロ」や「ナノ」を意味します。したがって,今回のシンポジウムでは,物理・化学・生物領域にわたる「マイクロ」や「ナノ」に関わる研究が発表され,RIESの特徴である学際性が顕著に現れたシンポジウムでした。
第1日目には,「Nanostructures and Nanophotonics」,「Nanoparticles, Nanopores and Their Unique Properties」,「Photonics in the Living Microbe World」の3つのセッションが開催されました。各セッションでは,外国,学外,学内,RIES内から講演者を選ぶことを基本としてプログラムが組まれ,英国Cambridge大学のSteiner教授やDundee大学のWeijer教授らにご講演いただきました。第2日目は,「Nanobio Interfaces」のセッションのみが開催され,ナノ材料と生命科学の接点に関わる発表が多くなされ,将来,応用にもつながる可能性が期待されるものでした。このセッションでは,ドイツFritz Haber研究所のMikhailov教授や米国MITのMicoulet博士らにご講演いただきました。参加者全員が,広い学問分野にわたる学際的な科学の最先端を充分に楽しんだ2日間でした。
RIESは,その創設以来,学際領域の研究を推進しています。現在,光・分子・生命に関する研究,とりわけナノテクノロジーを重点的に推進しています。今回の“微”に関する国際シンポジウムは,RIESが学問上自ら選択し推進してきた道が,今後ますます総合的・融合的に発展する方向であることを知るよい機会となりました。今後,さらに学際性・総合性を発揮する道を模索することにより,本学のよりよい総合大学づくりにおけるRIESの役割を果たしていきたいと考えています。 |
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ポスターセッションを兼ねた懇親会で,乾杯の音頭をとられるWeijer教授 |
参加者による記念集合写真 |
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(電子科学研究所) |
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