3月22日(木),工学部資源循環システムコースが所蔵し,工学研究科社会工学系専攻図書室が管理してきた旧鉱山学科学生実習報文について,大学文書館が移管を受けました。移管を受けた1926(大正15)年から1997(平成9)年までの約70年間の実習報文は,1,601冊に及びます。
実習報文とは,大学などの高等教育機関の鉱山(採鉱)・冶金学科の学生が,鉱山などに出向いて生産システムを現地実習した際のレポートです。移管を受けた実習報文は1冊1冊堅固な製本がなされています。鉱山の実態や労働状況などの報告のほか,採掘・製錬などに関する諸データ,採掘機械や坑内外諸施設の図面などが記載されています。レポートの対象となっている鉱山は北海道から九州まで全国に及び,戦前期には満州・朝鮮・樺太・台湾といった外地の鉱山も含まれています。このように,実習報文は大学における学生の学業のありようを跡付ける貴重な大学史資料であると共に,近現代日本の鉱工業史・鉱山史・科学技術史・建築史等の研究においても貴重な資料です。
詳しくは,『北海道大学大学文書館年報』第2号(2007年3月刊行)において,角哲(秋田工業高等専門学校)・池上重康(本学工学研究科)・砂本文彦(広島国際大学)・中江研(神戸大学)各氏が連名で,1926(大正15)年〜1975(昭和50)年の実習報文目録と,1950(昭和25)年までの実習報文についての解説を執筆していますので,ご参照ください。
大学文書館では,全実習報文を整理し,個人情報等に留意しながら教育・研究資料として提供していく予定です。 |
 |
旧鉱山学科学生の実習報文(1926年) |
|
(大学文書館) |
|