大学文書館では,9月18日(火)に,半澤洵関係資料を半澤直子氏(ご子息半澤道郎夫人)から,ご寄贈いただきました。
この度,受贈した半澤洵関係資料は,「村会日誌」5点,日記1点,新渡戸稲造墨筆書1点,蔵書30点(メアリー夫人署名入り新渡戸稲造著書1点含む)など合計40点です。
「村会日誌」は,高岡熊雄,時任一彦,新島善直,星野勇三,半澤洵,宮部金吾といった東北帝国大学農科大学の教官などが居住した北6〜7条西12〜13丁目界隈の「桑園博士村」における会合日誌です。博士村では,毎月1回,各家の持ち回りで会合「村会」を開いていました。「村会」は,1912(大正元)年12月の第1回から1965(昭和40)年9月の第475回,再発足した1967(昭和42)年12月の第1回から1997(平成9)年10月の第121回,合計596回,約85年間にわたって開催されました。「村会日誌」は,これらの「村会」の模様を,毎回,当番の会員が記してきた貴重な記録です。
また,受贈した日記は,東北帝国大学農科大学助教授であった半澤洵が1911(明治44)年12月〜1912(大正元)年7月,応用菌学研究のためドイツ・フランスへ留学した際の渡航・留学日記です。半澤洵は,1911(明治44)年〜1914(大正3)年,ドイツではハノーバー高等工業学校ウェーマー教授研究室(酵素菌類),ライプツィヒ大学レーニス教授研究室(土壌微生物学),フランスではパストゥール研究所(生理化学)等で研究生活を送りました。日記の中で,半澤洵は,細菌学者志賀潔からボタンを贈られた見送りの様子や,ウェーマー教授研究室での研究生活の模様などを克明に記しています。
半澤洵関係資料については,これまで,大学文書館は,6月25日(月),半澤直子氏から約100点の寄贈を受けました(詳細は『北大時報』7月号No.640を参照ください)。7月31日(火)には,半澤進氏(半澤直子氏のご子息)から,半澤洵が愛用した顕微鏡もご寄贈いただいています。これらは,新たにご寄贈いただいた今回の資料と一体の資料群をなしています。今後,大学文書館では,半澤洵関係資料を一括して整理・保存・調査をしてまいります。
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渡航・留学日記 |
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(大学文書館) |
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