北方生物圏フィールド科学センター
忍路臨海実験所開設100周年記念行事を開催 |
北方生物圏フィールド科学センターでは,10月20日(土)に忍路臨海実験所開設100周年記念行事を開催いたしました。
同所は,1908(明治41)年に東北帝国大学農科大学水産学科の附属施設として設立され,我が国では三崎臨海実験所(東京大学)に次ぐ歴史を持つ臨海実験所として知られています。夏から秋にかけては暖流が,冬から春に亘っては寒流の海水が流れ込む忍路湾は,年間通して海水温が5〜22℃と安定し,湾口に続く岩礫地帯や強風の際にも波浪を生じない環境によって,さまざまな無脊椎動物・魚類・海藻類の採集のみならず,各種の飼育実験,海水の測定,プランクトン採集にも適しているため,これまで札幌や函館のキャンパスから出掛けてくる学生・研究者をはじめ,学外の研究者によっても頻繁に利用され,極めて多彩な研究が行われてきました。
当日は小雨が降るあいにくの天気でしたが,記念式典では来賓や同所の利用者,北海道大学関係者など約50名が列席し,式辞の後,佐伯総長代理の逸見副学長,小樽市長代理の安達経済部長,北海道中央水産試験場の宇藤場長からの挨拶がありました。次いで,同所が水産学部附属施設だった頃から長年に亘り,管理人として実習や研究の補助を務められた信田和郎氏に感謝状が贈呈されました。
また,開設100周年記念として本センター研究林の木材で作成した看板の除幕式が行われ,忍路湾の海洋生物の育成を願って,忍路中央小学校の生徒3名の手による稚ウニの放流が行われて閉式となりました。
式典の後は小樽市内の会場で公開シンポジウムが開催され,前北海道東海大学長の西山恒夫氏,本学名誉教授の片桐千明氏を講師に迎え,それぞれ「臨海実験施設の利用〜海洋生物の長期観測と海の学習の場として」,「臨海実習への想い」と題して講演が行われました。式典出席者や忍路臨海実験所利用者のみならず,多数の一般市民の参加もあって,有意義なシンポジウムとなり,記念行事は盛況のもと終了いたしました。
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(北方生物圏フィールド科学センター) |
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