部局ニュース

半澤洵研究室旧蔵資料,旧畜産学科関係資料を大学文書館に移管

 大学文書館では,10月24日(水),農学研究院分子生命科学分野の研究室から半澤洵研究室旧蔵資料2箱の移管を受けました。半澤洵は札幌農学校卒業後,農学校教員となり,1915(大正4)年の講座創設から自身が退官する1941(昭和16)年まで応用菌学講座を担当し,農学部長も務めました。半澤は,納豆菌の研究において特に著名で,「納豆博士」の異名をとりました。
 今回移管を受けた資料にも,半澤が編集を担当した雑誌『納豆』の自筆校正原稿や,開発に関わった納豆製品の宣伝札など,納豆菌研究に関するものを多く含みます。そのほか,出欠簿・試験問題・履歴書などの講座関係文書や,戦時中の大学防空計画書類,半澤が第3代校長を務めた遠友夜学校関係資料などがあります。
 半澤の関係資料については,先にご親族の半澤直子氏から多くの寄贈を受けています。この度の移管資料を合わせて考察することにより,研究・教育にとどまらない,半澤の幅広い活動を浮き彫りにすることが可能となります。
 また,10月29日(月)には,農学研究院家畜生産学分野の研究室から,旧畜産学科関係資料2箱の移管を受けました。移管を受けた資料は,札幌農学校学生川嶋一郎受講ノート(畜産学関係)6点,畜産学科学生であった三田村健太郎,広瀬可恒の受講ノート等,井口賢三旧蔵資料(履修学科目表,出欠簿等)などです。
 川嶋一郎受講ノートは,1976(昭和51)年にご子息の川嶋昭二氏が畜産学科に寄贈した資料です。大学文書館には,先日,昭二氏から川嶋一郎関係資料を多数寄贈いただいており,移管資料と合わせて整理・保存・利用をすることが可能となりました。
 井口教授,三田村教授,広瀬教授は,いずれも畜産学科で乳牛の育成・管理に関する研究などを進めた畜産学の泰斗です。移管を受けた旧畜産学科関係資料は,日本および北海道の畜産学及び畜産業の歴史を著す貴重な資料です。
半澤洵の自筆による雑誌『納豆』校正原稿 三田村健太郎受講ノート(羊学,豚学,馬学,畜産製造学,生物化学,遺伝学)
半澤洵の自筆による雑誌『納豆』校正原稿 三田村健太郎受講ノート(羊学,豚学,馬学,畜産製造学,生物化学,遺伝学)
(大学文書館)

前のページへ 目次へ 次のページへ