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教育学研究院附属子ども発達臨床研究センターで講演会を開催

  2月3日(日),シリーズ「子どもの生きづらさを考える」,今年度最終回の講演会『再非行を防ぎたい。悲しみを広げたくない。〜少年院という世界で〜』を開催しました。少年院の関係者,教員,療育者,医療関係者,心理職など,さまざまな職種の方にご参集いただきました。約170名の参加があり,会場の学術交流会館 小講堂がほぼ満員となりました。
 講師の瀬戸少年院教育調査官 向井義先生は,前任地の宇治少年院・広島少年院での実践が注目を集め,それは品川裕香氏のルポ『心からのごめんなさいへ』にも取り上げられました。先生は,子どもの「発達」という視点を重視し,従来の少年院での矯正教育の手法を生かしながら,そのエビデンスを明らかにし,実践を積み重ねて来られました。今回の講演ではこういった視点やスタンスに至ったご自身の経験から始まり,現在の非行研究の到達点,各種の理論と裏づけとなるデータ,そして少年院における実践の様子についても詳細な報告がありました。講演は2時間に及び,その後,30分以上,質疑の時間をとり,会場は熱気にあふれていました。
 先生は非行に至った少年に対して,反省を求めるだけではなく,「発達」の視点から,教育の必要性を強調する立場をとっています。一人ひとりが,素因の脆弱性や環境負因の上に誤学習を重ねたライフコースを辿っており,その再教育のためには,個別化した指導計画が欠かせないと論じられました。また,個別化と単独処遇は違うと述べ,集団の中での相互作用の重要性も強調されます。矯正教育の新しい潮流と言える斬新なお話を聞くことができました。
こういった考え方は,矯正教育のみならず,特別支援教育や児童精神医学,心理臨床の現場に大きな示唆を与えてくれるものです。当センターの「軽度発達障害児・者に対する生涯教育支援プログラムの開発」研究においても欠かせない視点であり,取り組むべきテーマと考えています。
 
(教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター)

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