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星野勇三・木原均の受講ノートを大学文書館に移管

 大学文書館では,4月14日(月)に木原均受講ノートを附属図書館北方資料室から,4月28日(月)に星野勇三受講ノートを農学研究院から移管を受けました。
 星野勇三(1875〜1964)は,1897(明治30)年7月札幌農学校予科を卒業後,本科に進学し,1901(明治34)年7月第19期生として卒業しました。その後,欧州・米国留学を経て,母校で園芸学講座の担当教授を長く務めました。
 この度,移管を受けたノートは,星野が札幌農学校本科生の時に宮部金吾教授の講義を筆記した「植物組織学・植物生理学」です。宮部金吾講義「植物生理学」については,高岡熊雄(1895年卒業),逢坂信ご(1908年卒業)の受講ノートも現存し,大学文書館が所蔵しています。
 木原均(1893〜1986)は,1915(大正4)年7月,東北帝国大学農科大学大学予科卒業を経て,1918(大正7)年7月北海道帝国大学農科大学農学科第三部を卒業,同大学大学院で細胞遺伝学研究を行いました。その後,京都帝国大学理学部へ転出し,同大学教授を退官後は国立遺伝学研究所所長,木原生物学研究所所長を歴任しました。
 この度,移管を受けた受講ノートは,木原均が大学2〜3年生の頃に筆記した下記の7点です。
 1. 宮部金吾講義「植物病理学」1917年
 2. 宮部金吾講義「樹木病理学」1917年
 3. 田所哲太郎講義「生物化学」1916年
 4. 南鷹次郎講義「栽培学」1916年
 5. 時任一彦講義「土地改良論」1916年
 6. 明峰正夫講義「植物育種学」1917年
 7. 吉井豊造講義「肥料学」1916年
 木原均は大学予科1年生の時,恵迪寮における開識社(演説会)で,当時大学2年生であった坂村徹の「遺伝物質の運搬者」と題した染色体の演説を聴き,細胞遺伝学を志しました。大学院進学後には,小麦の正しい染色体数を発見した坂村徹から,小麦染色体研究を託されました。小麦染色体研究の先駆者である坂村徹の関係資料も,大学文書館が保管しています。
 今後,大学文書館では,坂村徹関係資料,星野勇三・木原均・高岡熊雄・逢坂信ごの受講ノートを学術研究資料として広く活用できるようにします。
星野勇三受講ノート「植物組織学」 木原均受講ノート「植物育種学」
星野勇三受講ノート「植物組織学」 木原均受講ノート「植物育種学」
(大学文書館)

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