5月29日(木),大学文書館では,初代総長佐藤昌介(札幌農学校第1期生)が,内田瀞(同1期生)に贈った墨蹟(1928年夏揮毫)を受贈しました。寄贈者は,内田瀞の曾孫でいらっしゃる斎藤宣子氏です。
当日は,斎藤宣子氏,斎藤修氏(一橋大学附属図書館長)御夫妻が来学され,総長室において,佐伯浩総長,逸見勝亮大学文書館長に軸装墨蹟を手渡され,札幌農学校第1期生をはじめとする札幌農学校の往時について会談しました。
この度,受贈した墨蹟は,佐藤昌介が,東京英語学校・札幌農学校を通じて同級生であり親交の深かった内田瀞に,W.S.クラークの島松別離について詠んだ漢詩を贈ったものです。その七言絶句は下記のとおりです(写真参照)。
泥路悠々騎馬進 東郊四月送師時
温顔惜別征鞍上 一片訓辞百代垂
昭和戌辰仲夏為
内田老兄清嘱録旧作 琢堂農人昌
[落款:佐藤昌介][落款:琢堂]
試みに,以下のように読み下してみました。
泥路 悠々として 騎馬進む
東郊 四月 師を送るの時
温顔もて惜別す 征鞍の上
一片の訓辞 百代に垂る
今後,大学文書館では墨蹟を大切に保管し,北海道大学の歴史を目で見ることができるよう,展示等により活用してまいります。 |
受贈式の様子 |
左から斎藤宣子氏、佐伯浩総長、斎藤修氏、逸見勝亮大学文書館長 |
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佐藤昌介墨蹟
(1928年夏) |
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(大学文書館) |
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