総合博物館では,9月中に下記の3講座のパラタクソノミスト養成講座を開催しました。準分類学者(パラタクソノミスト)とは,学術標本・サンプルを正しく同定し整理する能力を有する者です。環境調査・教育において必要とされる人材で,生物分野では分類学(タクソノミー),生物多様性研究,環境アセスメント,環境教育の専門家をサポートし,社会で幅広く活躍することを想定しています。
1.土壌ダニパラタクソノミスト養成講座(中級)
9月1日(月)から5日(金)までの5日間にわたり開講されました。大学院生や高等学校の先生など7名の受講生が,プレパラートの作成や顕微鏡操作などによって土壌ダニを同定する基礎を習得しました。ダニは種類がとても多い動物で,正確な同定には専門的な知識や技術が要求されます。そのため受講期間も長く,受講生の数も少なめでしたが,みんな真剣に実習に臨んでいました。講師は宮城教育大学の島野智之氏,北海道教育大学の高久元氏,森林総合研究所の岡部貴美子氏,松山東雲短期大学の芝実氏の4名の先生方でした。 |
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土壌ダニパラタクソノミスト養成講座での実習風景 |
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2.石器パラタクソノミスト養成講座(初級)
9月13日(土)に,北海道大学文学部の高倉純氏を講師として開講されました。石器とは何か?という講義に始まり,観察やスケッチをした後,北海道大学埋蔵文化財調査室へ移動。調査室前にブルーシートを敷き,みんなで黒曜石を割りながら実際に石器作りを行いました。考古学関係の講座はパラタクソノミスト養成講座開始以来はじめての試みで,参加者からは早くも中級講座の開講を求める声があがっていました。 |
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石器パラタクソノミスト養成講座 北大埋蔵文化財調査室の前で |
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3.岩石鉱物パラタクソノミスト養成講座(初級)
9月27日(土),28日(日)に,当館資料部研究員の在田一則氏,本学理学研究院の三浦裕行氏,当館の松枝大治氏を講師として開講されました。当講座は例年受講希望者が多く,今年も40名近い応募者があったために抽選を行いましたが,それでも予定を大幅に上回る受講者を迎えての開講となりました。初日は講義と総合博物館の見学を行い,2日目は2班に分かれて岩石と鉱物それぞれの鑑定を実習しました。
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岩石鉱物パラタクソノミスト養成講座で展示を見学する受講生との実習風景 |
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(総合博物館) |