11月15日(土)10:00から17:00の日程で,黒曜岩子供セミナーが8組の親子(合計18名)が参加して総合博物館(共同研究室及び実習室)で開かれました。
セミナーで使用された黒曜岩試料は,平成19年8月に鳥取大学名誉教授吉谷昭信先生より本学総合博物館に寄贈されたものの一部ですが,長年研究されてきた日本全国の黒曜岩を始めとし世界各国の産地から収集されたもので,全ての試料の化学分析結果が得られており,地質学的のみならず考古学的にも貴重な標本となっています。吉谷先生から寄贈された時,博物館ボランティアの方々の発案により,小中学生を対象にした黒曜岩子供セミナーを開催し,特に石器製作用として,また直接手に取って触れることができるような目的で,博物館標本とは別に教材用として寄贈を受けたものです。
寄贈後1年を経過してようやく子供セミナーが実現しましたが,セミナーでは午前中に黒曜石に関係した講義(黒曜岩と考古学:天野哲也博物館教授,黒曜岩とは?:松枝大治博物館教授,黒曜岩を用いた石器の作り方:高倉 純埋蔵文化財調査室助教)と前述の寄贈黒曜岩展示標本の見学を行いました。また,午後からは黒曜岩を用いた石器(黒曜岩ナイフ)製作実習を行い,さらに完成した石器ナイフを用いて調理実習と試食を行いました。調理メニューは「石狩鍋」と「鳥の水炊き」でしたが,自作ナイフの切れ味を体験すると共に,完成した料理に舌鼓を打ちながら原始時代を偲び,セミナー等に関する意見交換も行いました。併せて,遺跡から出土した石器を用いたクルミ割りの体験もしましたが,子供達だけでなく付き添いの親も夢中になって石器製作や調理に取り組んでいる様子が印象的でした。
参加した親子全員のアンケートでは全て「大満足」の評価が得られ,また次回もこのような子供セミナーを是非開催して欲しいとの要望が多数ありました。
末筆になりますが,今回の黒曜岩子供セミナーの発案,準備,運営等で献身的なご協力を頂きました博物館地学ボランティアの方々に,紙上を借りて深くお礼申し上げます。 |
 |
 |
黒曜岩ナイフ製作実習風景 |
自作の石器ナイフで調理に取り組む子供達 |
|
(総合博物館) |
|