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保健科学研究院八田達夫教授が共同開発し,製品化された椅子(商品名:PULSEチェア)が(株)内田洋行から寄贈される

 1月22日(木)に株式会社内田洋行北海道支店において,PULSEチェア発表セレモニーが行われ,同社から椅子15脚が本研究院に寄贈されました。この椅子は,株式会社内田洋行の産官学共同開発製品で,八田達夫教授と北海道立心身障害者総合相談所の西村重男氏が共同研究しました。そのうちの1脚を佐伯総長に使用していただくことに致しました。
 PULSEチェアの発想と技術は重症心身障害者の特殊な車いす研究の成果をベースとしています。重症心身障害者にとって座ることはコミュニケーションや日常生活活動の遂行にとても重要とされます。しかし,脳障害による筋緊張の亢進,筋力低下,筋作用の非対称,更にこれらにより引き起こされた脊柱や骨盤の変形は椅子に座ることを困難にさせます。このような座ることが難しい人々を座らせる技術(アクティブバランスシーティング)を研究開発してきました。
 障害のない人々はどのような椅子にも座ることができます。しかし,重度障害の人は座りのポイントを押さえた椅子にしか座ることができません。ヒトとしての共通項を前提に,障害により座ることの困難な人々を楽に座らせる技術は,障害のない人々に対しては,もっと楽に座らせることができるのではないかと考えました。
 今回の開発過程は,障害が重たい人々によってもたらされた研究成果が,障害のより軽い人々や障害のない人々の役に立つことにつながる一つのモデルと考えています。
贈呈式の様子 贈呈式で講演する八田教授
贈呈式の様子 贈呈式で講演する八田教授
(保健科学院・保健科学研究院)

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