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堀内壽郎関係資料を大学文書館で受贈

 1月19日(月),大学文書館では,堀内壽郎関係資料を,ご子息の堀内浩太郎氏からご寄贈いただきました。
 堀内壽郎(1901〜1979)は,1925(大正14)年東京帝国大学理学部化学科を卒業,1932(昭和7)年〜1934(昭和9)年欧州に留学,ドイツのゲッチンゲン大学,カイゼルウィルヘルム研究所,イギリスのマンチェスター大学において物理化学研究を進め,1935(昭和10)年2月北海道帝国大学理学部化学科の教授に着任しました。1940年帝国学士院恩賜賞を受賞,世界初の触媒研究所の設立に尽力し,触媒化学反応論の確立と応用研究に終生邁進されました。1967(昭和42)年5月〜1971(昭和46)年4月には学長の任に就いています。
 この度,受贈した資料は,実験ノート,講義ノート,原稿(論文・講演・寄稿文等),書簡,手帳,辞令,証書類,文書類,論文集,計算尺等の14箱です。
 例えば,実験ノートには,1934(昭和9)年,ポランニー(Michael Polanyi)に招聘されて研究生活を送ったマンチェスター大学でのノートも含まれています。原稿には,『化学熱力学講義』(講談社,1981年)に続けて刊行予定であった『統計力学的平衡論』もあります。これらは,触媒化学研究の先駆者としての足跡をたどる貴重な資料群です。
 また,書簡類には,1940〜1960年代における国内外の研究者,大学関係者宛の発信控えが多数残されています。文書類には,戦後直後,占領軍に接収された低温科学研究所の建物明け渡し渉外事務に奔走した際のものもあります。これらは,大学沿革史に関する重要な資料群です。
 今後,受贈資料については,大学文書館において整理の上,大切に保管し,学術研究資料として広く活用できるようにいたします。
実験ノート (右端はポランニーからの書簡) 接収解除に関する渉外事務資料
実験ノート
(右端はポランニーからの書簡)
接収解除に関する渉外事務資料
(大学文書館)

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