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1929年の駒ヶ岳大噴火の記録写真を総合博物館で受贈

 4月1日(水),元本学総長で現在は北海道開拓記念館の館長を務められている丹保憲仁先生が総合博物館を訪問されました。本号40ページで紹介されているとおり,1階の「人間・社会・自然と科学技術」展示室のリニューアルを,10年前に同室の展示制作にご尽力下さった丹保先生にご覧いただこうと,文学研究科の佐々木亨教授がお呼びしたものです。
 来館された折,丹保先生は,1929年の駒ヶ岳大噴火を工学部の福富忠男教授が撮影された貴重な一連の写真を総合博物館へ寄贈されました。これは,福富教授のご息女の横山明子氏が丹保先生に託されたものです。全部で53枚の写真のほとんどに裏書があり,当時の噴火の様子が詳細に記されています。そのうちの1枚の表裏を下の写真に示してあります。裏の文章は「大沼公園より昭和4年6月17日正午 爆裂中の駒ヶ嶽撮影 (一)黒煙の物凄さに引きかへ近景の美しき有様を御覧…………」と読めます。
 火山研究の第一人者である理学研究院自然史科学部門の中川光弘教授にその写真をお見せしたところ,以下のコメントをいただきました。「昭和4年(1929年)の北海道駒ケ岳の噴火は,桜島1914年噴火とともに20世紀では国内最大規模の噴火である。福富先生の撮影された写真は,噴火だけでなく噴火後の山頂火口の状況や山麓の火山災害の実態も記録している。これらの写真は状態もよく,さらに日付だけでなく時刻も明記されたコメントも付されており,噴火体験者も少なくなった今,大変貴重な資料である。これらの資料は火山学にとって貴重な資料となるだけでなく,今後の火山防災のためにも役立てることができる」。この貴重な記録は近々,館内に展示する予定です。どうぞご期待ください。
「駒ヶ岳噴火写真」寄贈式での丹保先生と館長 寄贈された「駒ヶ岳噴火写真」他
「駒ヶ岳噴火写真」
寄贈式での丹保先生と館長
寄贈された「駒ヶ岳噴火写真」他
「駒ヶ岳噴火写真」の一枚の表裏  
「駒ヶ岳噴火写真」の一枚の表裏

(総合博物館)

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