北方生物圏フィールド科学センター植物園では7月30日(木),31日(金)に小中学生向け公開講座「いろいろな葉っぱを探そう!−初めてでも出来る植物採集と標本作り−」を開催しました。2日とも午前と午後に1回ずつ開催し,合計4回,34名の参加となりました。植物園では平成11年から冬季閉園期間の公開講座として,小学生とその家族を対象とした「冬の植物園ウォッチング・ツアー」を毎年開催していますが,児童のみを対象とした体験型の公開講座を夏季開園期間に行うのは今回が初めてとなります。
本講座のねらいは植物学の基礎とも言える植物の採集・同定・標本作製を体験してもらうことですが,ただ指導されるままに行動するのではなく,参加者各人が意識して自然の植物を観察し,その多様性に気づくことを目標としました。また,図鑑を使った同定作業を自分で行うことによって,多様な植物の名前を調べることが出来るという自信を身につけること,そして標本作製によって植物標本の意義と重要性を理解することを目指しました。
まず,倒卵形や複葉など様々な葉っぱの形が描かれたプリントを配り,自分が選んだ形の葉っぱを探してもらいました。最初はとまどい気味だった子ども達も次第に熱中し,プリントと見比べながら葉っぱの特徴を観察するようになりました。慣れてくると今まであまり注目してこなかった樹木の葉の形がどんどん区別出来るようになり,植物の多様性に驚いたりおもしろがったりしていました。 |
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「あった!これだ!」だんだん葉っぱの形が
見分けられるようになってきました
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次に採集してきた植物の名前を図鑑で調べます。コツをすぐに飲み込んであっという間に数種の植物を同定してしまった子どももいれば,良く似た葉を見比べながら細かい特徴をじっくり観察して名前を見つけ出す子どもまで様々でした。
名前を調べた後は標本作りです。今回は短時間で出来るよう簡単な方法で行いました。台紙に植物をきれいに貼り付けるのが一番難しく,スタッフに相談したり手伝ってもらったりしたものの,最後には参加者全員がしっかりとした標本を完成させていました。
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「うーん,難しいなあ」
標本作りにも熱がはいります
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当日は天候にも恵まれ,公開講座終了後に家族と一緒に園内でお弁当を広げる参加者もおり,植物園を十分に楽しんでいました。この講座を通じて植物に興味を持つ子どもが増えれば幸いです。また今日の参加者の中から自分で植物採集と標本作りにチャレンジしてみようという子どもが出てくればうれしい限りです。
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(北方生物圏フィールド科学センター) |