本学では,7月12日(日)〜8月8日(土)までの約1ヶ月間にわたって,中国河北省の大学教員10名を対象に,独立行政法人国際協力機構(JICA)の有償資金協力(円借款)事業の一環として,中国人材育成事業特設研修コース「河北省廃棄物資源化・処理技術研修」を実施しました。
中国人材育成事業は,中国国内の地域間格差の是正・市場経済の推進のため,中国内陸部の高等教育機関の質を高め,日中間の相互理解の増進に寄与することを目的とした事業です。
本学の研修コースは,国際協力銀行(JBIC当時)から受託した調査に基づき,工学研究科 松藤敏彦教授,農学研究院 松田 從三教授(当時),公共政策学連携研究部 吉田 文和教授が中心となり,平成18年度に開設した研修コースで,中国内陸部における廃棄物管理の改善とインフラ整備の重要な基礎を築くことを目的としています。今回は平成18年度の重慶市,平成19年度の河南省に続き,3回目の実施となりました。
研修では,講義の他,地方自治体,企業等の協力を得て,札幌市近郊の廃棄物処理・資源化施設等15カ所を視察しました。これにより,資源リサイクルや廃棄物処理の理論・知識を身につけるとともに,実際の処理技術を目にすることで,さらに理解を深めることができたようです。
また,札幌市環境局や環境省にも訪問し,地方自治体や日本の廃棄物・リサイクル政策についても学びました。
講義や施設見学の他にも,研修期間中には,着付け体験,邦楽演奏会など日本の伝統文化に触れる機会や研究室訪問を通じて,本学の研究者と交流する機会もありました。
この研修が,中国河北省における廃棄物処理問題の解決や日中両国の相互理解の向上につながっていくことを大いに期待しています。
※平成20年10月のJICAとJBIC海外経済協力事業部門の統合により,本事業は,JICA事業となりました。 |