保健科学研究院では,9月9日(水),人文・社会科学総合教育研究棟において,部分参加も含めて60名(全教員の84%)の参加者により,「平成21年度FDワークショップ」を開催しました。昨年から保健学科と保健科学院は別立てで実施しています。保健学科FDのテーマは「保健学科の教育と現代学生気質」,保健科学院FDのテーマは「大学院の未来と国際化・多様化」でした。
保健学科FDの前半は,昨年の「学生のメンタルヘルス」に引き続き,実習等をめぐる学生の諸問題について取り上げました。基調講演の保健管理センター・学生相談室の渡邉 誠講師には,「現代社会と学生気質」のテーマで,我々の感じる学生気質に対する違和感を解説していただきました。対人関係の希薄さや学生の二極化など示唆に富んだ講演でした。引き続き,「現代学生気質と関連する保健学科学生の諸問題とその教育的な対応について考える」ことを目標に,個々の教員が経験した学生の諸問題を報告しながら,問題点を整理し,教育的対応についてグループ討論を行いました。アンケート結果から討論時間不足の指摘もありましたが,時間いっぱいを使う熱心なグループ討論が行われました。結果発表,全体討論からは多くの提案がなされました。
保健学科FD後半は,昨年に引き続き,エクセレント・ティーチャーズとして公開されている本研究院所属教員による「わたしの授業」と題した授業報告でした。病態解析学分野 石津明洋教授と創成看護学分野 山内太郎准教授から熱心な授業紹介があり,質疑も含めて参加教員からも大変好評でした。
保健科学院FDは,中期目標・中期計画にも掲げられている国際化のテーマに沿った講演会でした。講演1の題名は,学術国際部国際企画課国際教育連携支援チーム(プログラム・コーディネーター)の佐羽内喜久子氏とマケンナ理加氏による「教育の国際化〜単位互換,ダブル・ディグリー,英語による授業のFDについて〜」でした。マイクロティーチングのビデオ紹介などインパクトのある内容でした。講演2の題名は,留学生センター高橋 彩准教授による「教育の国際化における留学生支援の問題」でした。北大の留学生の現状と受け入れや具体的な問題などに関する基礎を教えていただきました。本学は,アジアからの留学生が圧倒的であること,国籍の多さなどを改めて認識しました。これらの講演から,今後の国際化に関する準備や議論のきっかけとなったように感じました。講演3の題名は「本学院修士学生へのアンケート結果と未来について」で,本研究院伊達広行教授によるアンケート結果の紹介がなされました。概ね大学院生からも良い回答が得られていました。
今回の保健学科FDでは,時間不足などがありましたが,本研究院FD伝統のグループ討論の大切さを改めて感じました。また,保健科学院FDとしては充実した講演会となりました。今回のFDワークショップは,非常に参加率が高いものでした。今後の学生教育に還元していきたいと考えています。 |