北大時報平成21年5月号43頁でお知らせしたように,今年4月に総合博物館は理学研究院水波誠教授から無脊椎動物中枢神経系標本合計48点の寄贈を受けました。そして9月28日(月)から,その全標本が総合博物館2階「学術テーマ展示」の部屋に展示されました。
これらの標本は,平成18年3月から5月に読売新聞社などの主催により日本科学未来館で開催された特別企画展「脳!内なる不思議の世界へ」で展示されたもので,水波氏は前任の東北大学で大学院生たちとその標本のすべてを作成されました。その中には,ユムシやゾウアメフラシ,ナメクジなど,中枢神経系を取り出すのが難しく,専門家でさえ,これまで観察したことがないような貴重な標本が含まれています。それぞれ,黒色プラスチック板にピンで留めた中枢神経系全体の標本をアクリルの水槽中に固定液と共に封じ,さらにその水槽をアクリルの箱に収めた二重構造になっています。照明をうまく当てると黒色プラスチックを背景に白い中枢神経系が美しく浮かび上がります。今回はレトロなガラス標本棚の1面4段に渡って標本をならべ,その横に各標本の説明パネルを貼りました。注意深く観察すると,構造の簡単なものから複雑なものへと,無脊椎動物中枢神経系の構造の進化を追うことができます。
本展示をご覧になり,無脊椎動物にも小さいながら精巧な脳があり,その構造は進化してきたことを,納得していただければ幸いです。 |
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展示棚の全景 |
説明パネル |
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ズワイガニの神経標本 |
ゾウアメフラシの
神経標本 |
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(総合博物館) |
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