部局ニュース

第7回北海道大学教育GPセミナー
「2000年後の美術館・博物館プロジェクト〜現代アートとの
コラボレーションによるミュージアムの活性化〜」開催

 総合博物館では,北大教育GPによる北大の教育システム改善のための議論や取り組み,活動が学内にとどまることなく,広く理解と協力が得られること,そして,日本の大学教育の質の向上に寄与することを目的に,平成21年1月より,教育GPセミナーを実施しています。
 今回は,11月28日(土)に,美術作家で,福山市立女子短期大学・准教授の柴川敏之先生を講師にお招きし,「2000年後から見た現代社会」という壮大なテーマで取り組んできた“41世紀に発掘された携帯電話やパソコン等の化石”の制作などを紹介しながら,全国各地の美術館・博物館で美術品や出土品とコラボレーションし,魅力を引き出す展覧会や,市民・学生を巻き込んで行なったアートプロジェクトやワークショップなどの活動について講演していただきました。
 まず,「2000年後の美術館・博物館プロジェクト」という取り組みを始めるきっかけについてお話しいただき,続いて,実物を実際に見せていただきながら,「2000年後に発掘されたらどうなるだろう」という発想のもとに制作された携帯電話やペットボトルの化石,などについて,化石の作り方やワークショップでの活動の様子とともに紹介いただきました。
 そして,広島県立歴史博物館での「2000年後の冒険ミュージアム」についてお話しいただきました。これは,県立歴史博物館全体を2000年後の博物館に見立てるというコンセプトのもとで作られた展覧会であり,その後のすべての活動のベースとなるものでした。また,尾道での「尾道帆布」を利用し,学校,商店街や市民,学生,観光客を巻き込んだ参加体験型のプロジェクトや,青森県立美術館での「三内まるごとミュージアム」,千葉県佐倉市での美術館と町とが連携し,様々な商店に“化石”を展示したプロジェクト,などについても,今後の展望なども含めて,お話しいただきました。
 参加者は,“化石”化した現代社会の品々に目を引きつけられ,美術館や博物館で展開される現代アートとの様々なコラボレーションについてのお話に熱心に耳を傾けており,講演後の質疑応答でも,ワークショップなどで効果的に用いられる帆布を用いた拓本について,41世紀に発掘されることを想像しながら作成されるさまざまな“化石”についてなど,熱心な質問が出されていました。
 
福山市立女子短期大学・准教授の柴川敏之先生による講演 福山市立女子短期大学・准教授の柴川敏之先生による講演
福山市立女子短期大学・准教授の柴川敏之先生による講演
 
(総合博物館)
 

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