2月18日(木),大学文書館では,高橋將氏(元工学部教員)のご仲介により,泉澤正行氏(1958年法学部卒業)から第4代総長 今裕の墨蹟をご寄贈いただきました。
墨蹟は,今裕総長が1942年2月に揮毫し,泉澤好氏(正行氏のご尊父)に贈呈したものです。当時,泉澤好氏は青函連絡船「翔鳳丸」の事務長を務めていました。今裕総長が翔鳳丸に乗船する折々,泉澤好氏は特別室で手厚くもてなしていました。今裕総長はこの厚遇に深く感謝し,泉澤好氏に,観梅を詠んだ自作と思われる漢詩を揮毫して贈りました。墨蹟の漢詩は下記のとおりです。
[関防印:善無常主]
適得梅花幾朶花 幽姿清韻身無倫
満筵諸彦倶三舎 譲席床頭為上賓
壬午二月録窖梅之詩 裕書
[白文印:今裕之印][朱文印:東来学人]
関防印の印文には,『尚書』咸有一徳篇から引いた「善無常主(善に常主無し=善には不変の基準はない)」という自戒の句が刻まれています。漢詩の訓読は以下のとおりです。
適々(たまたま) 得(え)たり 梅花(ばいか) 幾朶(いくだ)の花(はな)
幽姿(いうし) 清韻(せいゐん) 身(み)に倫無(ともがらな)し
満筵(まんえん)の諸彦(しょげん) 倶(とも)に三舎(さんしゃ)
席(せき)を譲(ゆづ)り 床頭(しゃとう)に上賓(じやうひん)と為(な)す
壬午二月(じんごにがつ) 窖梅(かうばい)の詩(し)を録(ろく)す 裕 書
大意は「梅花が見事だったので,上座に据えて皆で愛でた」というものです。訓読等については,和順教授(文学研究科中国文化論講座)にご協力いただきました。
この墨蹟は,北海道大学と地域の人々との交流史を彩るものです。今後,大学文書館では,墨蹟を大学沿革史料(歴代総長史料)として大切に保管し,展示等により活用してまいります。 |
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