先端生命科学研究院では,2009年ノーベル化学賞受賞者である英国MRC分子生物学研究所のVenki Ramakrishnan博士をお招きし,6月18日(金)15時より学術交流会館小講堂において,学生・一般市民を対象とした「ノーベル賞講演会」を開催いたしました。(世話人:先端生命科学研究院 教授 田中勲)
2009年のノーベル化学賞は,イスラエルWeizmann研究所のAda E.Yonath博士,米国Yale大学のThomas A.Steitz博士,そして,今回ご来日いただいた,英国MRC分子生物学研究所のVenki Ramakrishnan博士の3氏に贈られました。
Ramakrishnan博士は,細胞のタンパク質合成装置リボソームの立体構造をX線結晶構造解析法を使って決定し,その機能を個々の原子配置に基づいて解明した功績が認められ,今回の受賞に至りました。
本講演会では“The Ribosome:The cell's protein factory and how antibiotics block it.”のタイトルで,リボソームの働きと,それを阻害するさまざまな抗生物質の働きについて,わかりやすくご講演いただきました。
本講演会は,Ramakrishnan博士のご好意によって直前に実現したもので,そのために広報活動も不十分で,また,会場も学術交流会館の小講堂と第一会議室を使って行うという変則的なものになりました。それにもかかわらず,講演当日は大盛況で,本会場である小講堂および,小講堂の模様をスクリーンと音声とでLive放映した第一会議室は,いずれも超満員でした。
50分の講演の後には40分にもわたって学生さんから次々と熱心な質問が寄せられました。Ramakrishnan博士は,そのすべてに真摯に,時にはユーモアを交えながらお答えになり,会場は終始なごやかな雰囲気でした。きっと参加した学生さんには大切な何かが残ったことでしょう。大成功を収めた講演会でした。
当日の講演の模様はこちらでご覧になれます。ぜひ一度ご聴講下さい。
http://ocw.hokudai.ac.jp/OpenLecture/Symposium/2010/NobelLecture/ |