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資料見学会「森本厚吉点描」を大学文書館で開催

 7月15日(木),大学文書館は,資料見学会「森本厚吉点描−札幌農学校受験から北海道帝国大学離任まで−」を附属図書館中会議室で行ないました。今回は森本厚吉の御孫女にあたる深山厚子氏(聖心会シスター,台湾在住)の来館を記念して特別開催しました。当日は,竹井恒子氏(元聖心会日本管区長・元聖心女子学院理事長)もご一緒に来館しました。
 森本厚吉(1877−1950)は,1895(明治28)年札幌農学校に入学し,農業経済学教室では佐藤昌介校長・新渡戸稲造教授に師事し,同級生では有島武郎と深い親交を結びました。1901(明治34)年第19期生として卒業し,アメリカ留学を経て母校の教員となりました。その後,東京で「文化生活」普及運動をさらに推進し,女子文化高等学院(現新渡戸文化学園)の学校経営・教育に専心するため,1932(昭和7)年北海道帝国大学教授を惜しまれて離任しました。
 
中島九郎宛て森本厚吉書簡(1938.6.8付)
中島九郎宛て森本厚吉書簡(1938.6.8付)
 
 資料見学会では,公文書から,札幌農学校生時代の予科入試受験・本科在学・寄宿舎・身体検査等に関する文書,教官時代の関東大震災被災生活調査・外国人語学教師招聘・アメリカ出張に関する文書を陳列しました。個人資料からは,森本厚吉助教授講義「経済原論」(1914〜15年)を記録した樋口櫻五(東北帝国大学農科大学1917年卒)の受講ノート,離任後に後輩の中島九郎(農学部教授)に宛てた書簡などを展示しました。
 深山厚子氏からは,「祖父の事をあらためて知り,なんともいえない温かさと深い喜びを感じました。自分のルーツを探るとはこういうことだったのかと,思わぬ感動に浸らせていただいた次第です」とのご感想をいただきました。
 
展示鑑賞の風景 (竹井恒子氏・深山厚子氏)
展示鑑賞の風景
(竹井恒子氏・深山厚子氏)
 
 大学文書館では,今後も,ゆかりの方々が来館される折には,受贈した個人資料や沿革文書・講座関係資料を活用して資料見学会を企画し,交流を深めていきます。
 
(大学文書館)
 

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