7月31日(土)に日本学術振興会の支援を受けて「ひらめき☆ときめきサイエンス〜ようこそ大学の研究室へ〜」【北大農場でベリーの品種改良に挑戦しよう!】を開催しました。これは,科学研究費補助金による研究成果をもとに,体験的なプログラムで大学の最先端の科学に触れてもらおうという企画です。北方生物圏フィールド科学センター・生物生産研究農場で行いました。
中学生を対象に募集を行い,札幌近郊を中心に遠く山梨,千葉からも申し込みがありました。29名を受け付けし,当日27名の参加がありました。今回は,学術振興会・農学専門調査班専門研究員の大阪府立大学・大門弘幸教授が本プログラムを視察に訪れ,ご挨拶いただきました。午前中は実際にフィールドに出て,10種類以上のベリーに触れ,食べ比べを行いました。特に北海道特産のハスカップは生の果実が出回ることがほとんどないので,新鮮な果実のおいしさに驚いていたようです。また,ベリーはツツジ科,バラ科,スイカズラ科などさまざまな植物が含まれること,比べてみて分かる味の特徴など,実物を見て触れてそして味わう貴重な経験から学び得たことがあったと思います。 |
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キイチゴの交配に挑戦
人工授粉でオリジナル品種作出に挑戦しています |
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その後,ブラックベリーとラズベリーを実際に交配させる品種改良に挑戦しました。雄しべから花粉を取り,雌しべの先に着ける実験です。屋外では風もあり,植物には棘があったり地面にすれすれの花から花粉を取ったりと,想像していた以上に大変だったようです。この交配実験の結果は,1ヶ月ほど経った後にふくらんだ果実を参加者に送り,実際にオリジナル品種を栽培してもらう計画です。
午後からは当日講師を務めた星野助教から「ベリーの育種最前線」と題した講話が行われ,現在取り組んでいる試験管内受精や胚乳分化の仕組みについて,クイズをもうけながら分かりやすく説明がありました。 |
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ベリー食べ比べ
圃場でさまざまなベリーの食べ比べを行いました。 |
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その後,グループ分けを行い,実験室では「生きた花粉が伸びる様子をとらえよう」,圃場では「果実の糖度,pHを調べてみよう」という実験をローテーションで行いました。盛りだくさんの内容でしたが,積極的に実験に取り組む姿が見らました。研究の楽しさが伝わり,この日のことが科学の芽となり成長の糧になってくれれば嬉しく思います。
なお,実験に関する質問や栽培の仕方,交配した果実の生育具合など,ブログ形式で交流を続けています(北大農場でベリーの品種改良に挑戦しよう!http://hoshiberry.exblog.jp/)。また,北大オープンコースウェアのスタッフによる取材・編集により本プログラムの内容が公開されています。
(http://ocw.hokudai.ac.jp/Topics/HiramekiTokimeki/2010/SelectiveBreeding/)。
最後に,本事業の開催には準備段階から支えてくれた事務職員の貢献が非常に大きかったことを記しておきたいと思います。参加してくれた皆さん,スタッフのチームワークに感謝いたします。 |
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花粉管伸長の観察
実験室で花粉管が伸びる様子を観察しました。 |
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(北方生物圏フィールド科学センター) |
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