|
9月11日(土),総合博物館セミナー「法医学と博物館」が開催され,約80名の参加者に医学研究科寺沢浩一教授が講演を行いました。
はじめに,法医学とは死因が不明な死体について死因を解明する学問であり,「看取られずに死んだひと」の死因解明の仕事が,マスコミを賑わす刑事事件での活躍よりも,はるかに多く,法医学が身近なものであることが説明されました。
続いて,法医学の先史学への応用として,モヨロ貝塚遺跡で発掘と遊佐されたオホーツク人骨25号と47号の死因解明が紹介されました。弓矢で複数箇所を射られたもので,その殺傷の状況,治癒の可能性,死後に放置されず速やかに葬られたと推定できることなどが解説され,当時の社会状況を理解するために法医学が貢献できることが示されました。
参加者からは,先進5カ国中でフィンランドや英国と比較して日本の法医解剖率がはるかに低い(20%以下)ことへの質問などがありました。 |
|
 |
 |
講演する寺沢浩一教授 |
|
|
(総合博物館) |
|