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名誉教授 井上 久遠氏は,4月1日午前4時4分,肺癌のため73歳で逝去されました。ここに,同氏の生前のご功績を偲び,謹んで哀悼の意を表します。
同氏は,昭和12年7月10日生まれで,昭和36年3月東京大学工学部応用物理学科を卒業,昭和38年3月同大学大学院数物系研究科修士課程を修了,昭和41年3月同大学院同研究科博士課程を単位修得退学し,同年4月日本学術振興会奨励研究生となられ,昭和42年4月静岡大学理学部物理学科の専任講師に採用されました。その後,昭和45年7月に東京大学より工学博士の学位が授与され,同年10月静岡大学理学部物理学科助教授に昇任,昭和59年8月に北海道大学応用電気研究所教授として赴任し,平成4年4月の同研究所改組に伴い,北海道大学電子科学研究所教授となり,平成9年4月から平成13年3月までは,電子科学研究所長を務め,平成13年3月に北海道大学を停年退職し,同年4月北海道大学名誉教授の称号を授与されました。
この間,同氏は,永年にわたって量子工学,物性物理学分野の研究,並びに教育に従事されました。特に,レーザー光と物質系との相互作用の解明に基づき,新しい学問分野であるレーザー分光学の確立に貢献すると同時に,物性物理学分野の重要な物理現象,固体の素励起の解明を行い,この学問分野の進歩に貢献しました。平成14年3月には,レーザー分光学と光物性科学の開拓的研究に尽くした功績をたたえられ,北海道科学技術賞を受賞されています。そのほかに,北海道大学内においては,大学院理学研究科担当教授として,大学院生の教育に尽力し,多くの有為な人材を送り出しています。北海道大学を退職後は,学校法人千歳科学技術大学の客員教授を務め,後進の育成・指導と,非線形分光法に関する更なる研究活動に努められました。
以上のように,同氏は,教育・研究の発展,後進の育成に多大な貢献をなされました。
ここに,謹んで先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
(電子科学研究所)
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