北海道大学病院では,6月25日(土),26日(日)の2日間にわたり,医学部学友会館フラテにおいて,平成23年度北海道大学病院緩和ケア研修会を実施しました。
この研修会は,本院ががん診療連携拠点病院の指定を受けていることに伴い,厚生労働省が定める指針に拠り,がん診療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修会を毎年定期的に実施することが義務づけられているもので,昨年に続き3回目の開催となります。
昨年度の研修会では,参加人数枠を42名まで拡げた結果,スタッフの対応がやや追いつかなかったとの反省を踏まえ,本年度は院内,院外の医師・歯科医師24名,看護師・薬剤師12名の計36名を受講者としました。
初日から,院内外から招へいしたファシリテーターの主導により,各セッションが進められていきました。この研修会は各セッションにディスカッションや,小グループに分かれて行うロールプレイ,グループ演習などが設定された非常に能動的な内容で,なかでもコミュニケーションロールプレイでは,医師・歯科医師・コメディカルスタッフを組み合わせたグループごとに,医師役・患者役・家族役などの役割分担をしてそれぞれの役を演じ,病気の告知をする医師,それを受ける患者を日常の職業とは違う立場からも演じることで,コミュニケーションスキルの向上と職種間の相互理解を目指すなど,非常に特徴的な研修内容となっています。
すべてのセッション終了後,小松嘉人副腫瘍センター長から,修了者へ修了証書が手交され,その後の振り返りでは,多くの参加者から,この研修会で習得した知見を診療に活かしたい,さらに充実した研修を受講したい旨の感想が多く述べられました。
今年度は,本研修会修了者を対象としたステップアップ研修も予定しており,医療従事者のコミュニケーション能力のさらなる向上が期待されます。
がんに対する医療は日々進歩し,患者を取り巻く状況はますます多様になっており,患者の身体とこころに生じるつらさを取り除き,患者が自分らしく生きていくための緩和ケアのニーズはいっそう高くなってきています。緩和ケア専門スタッフの育成のみならず,地域医療と連携した緩和ケアの推進と医療従事者の育成に取り組んでいきたいと考えています。
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緩和ケア概論講義 |
グループディスカッションの様子 |
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グループワークでの事例検討の様子 |
コミュニケーションロールプレイ 〜役作りから実演まで |
(北海道大学病院)
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