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総合博物館でノーベル化学賞受賞記念特別展示
「ホウ素化学研究とノーベル化学賞への軌跡」開催

 鈴木 章名誉教授の2010年ノーベル化学賞受賞を記念し,総合博物館では,4月5日(火)からおよそ2ヶ月間,鈴木名誉教授の経歴,ノーベル化学賞受賞の功績や研究成果,学内における触媒研究との関連性を紹介する特別展示を開催しました。道内では,鈴木名誉教授の出身地であるむかわ町でもノーベル賞受賞を記念する展示が行われているため,それぞれのテーマで棲み分けを行いました。むかわ町では,鈴木名誉教授の幼少期から高校時代について展示を行っています。これに対し,当館では大学時代からノーベル賞受賞までの道のりを学術的な観点を主とした展示を行いました。

 主な展示物として,パネル展示では鈴木−宮浦クロスカップリングの研究成果や本学における触媒研究の関係図,鈴木名誉教授の研究の歩みなどを紹介しました。実物展示としては,受賞メダルのレプリカや研究室で使用されていた机や湯呑み,学位論文などがあり,机に関しては一般来館者が触ることができるようにしました。他に,AR(拡張現実)技術を用いてメダルを来館者が手に持ったような感覚を覚える新しい展示の試みもなされました。また,鈴木名誉教授の声や表情が来館者に伝わるように8コンテンツの映像を制作しました。関係者へのインタビューによる「来館者へ向けたメッセージ」や「大学博物館の意義」,「鈴木章名誉教授が研究を始めた当時の様子」などを館内展示室や標本室,研究が実際に行われていた部屋などで撮影しました。さらに,ストックホルムで行われたノーベル賞授賞式や晩餐会へ同行した研究者の話など,パネルや展示物では紹介できない内容などをまとめました。同時に映像コンテンツと連動したセミナーを開催し,ミュージアムマイスターに認定された学生が司会進行や公開実験の補助を行いました。

 本展示は,学術的な内容であるために,パネルや映像で使用されている用語に独特の表現が含まれていました。そこで,学外からの来館者の理解を促進するために展示解説員を配置しました。回収されたアンケートや展示解説に参加した来館者の感想から,本展示は,ノーベル賞を来館者が身近に感じ,本学が行っている世界に通用する研究を知ってもらうきっかけになったと言える結果となりました。また,当初6月5日(日)までの開催予定でしたが,多くの来館者からのご要望により期間を1週間延長し,6月12日(日)までの開催となりました。

展示会場での鈴木名誉教授 関連セミナーの様子
展示会場での鈴木名誉教授 関連セミナーの様子

(総合博物館)


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