北方生物圏フィールド科学センター生物生産研究農場では,8月31日(水)に桑園地区住民20名を対象に「北大農場公開デー」を開催しました。ここ数日の天気予報では雨が予想されていましたが,当日は天候に恵まれて風も心地よく絶好の見学日和となりました。
北大農場は農学や環境科学等に関する研究や学生教育実習の場ですが,札幌市の中心部に近くポプラ並木が観光名所であり,また市の広域避難場所に指定されている市民に身近な場でもあります。しかし農場の活動によっては地域住民に迷惑をかけることもあります。そこで桑園地区の住民を招いて農場見学と懇談を行うことで,私たちの教育研究活動を理解してもらうことにしました。
まず酪農生産研究施設(牛舎)で牛の餌(乾草とサイレージ)や,排泄物を処理するためのバイオガスプラントなどを説明し,搾乳作業を見学しました。その後,牛舎を出て牧草やデントコーンを説明しながら放牧地の真ん中を歩きました。
水田では北大農場で作られている米の品種,北海道と本州との米の品種の違いを説明し,畑ではススキやソバを用いた研究等について説明しました。
その後,本センター庁舎に場所を移し,北大農場産の牛乳,トマト,枝豆,ハムなどを試食しながら懇談を行いました。最初に当農場での研究内容や農場の概要をスライドで説明し,続いて参加者からの質問に答えていきました。畜産施設から生じる環境問題やカラスの問題に留まらず,広域避難場所として指定されている農場への避難経路,さらにはキャンパスの環境美化など,参加者から北大全体についての貴重な意見を伺うことができました。
今回の企画は北大農場の教職員にとっても桑園地区の住民が当農場をどのように考えているかを知ることができて相互理解が深まったと思います。農場だけでなく,大学として,地域住民の方々からご意見を伺うことの大切さも感じました。
このたびの北大農場公開デーの開催にあたり,久道義明桑園まちづくりセンター所長,西田光晴北桑園町内会長,地域拠点型農学エクステンションセンター札幌サテライトの大原眞紀氏にご協力をいただきました。ここに記して感謝申し上げます。
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放牧地を歩きました |
北大農場の生産物を試食しながら懇談 |
(北方生物圏フィールド科学センター)
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