本年度の医学教育等関係業務功労者として,本学から北海道大学病院診療支援部 主任臨床検査技師 菊池 仁氏が表彰され,11月24日(木)ホテルフロラシオン青山において,表彰式が行われました。
この表彰は,文部科学省が毎年,医学または歯学に関する教育・研究若しくは患者診療等の補助的業務に従事し,顕著な功労のあった方々に対して行うものです。
菊池氏の表彰に当たっての感想を紹介します。

11月24日(木)に文部科学省主催の「医学教育等関係業務功労者表彰式」に出席し93名と共に表彰を受けてまいりました。さしたる実績もない私がこのような表彰を受ける事に少なからぬ戸惑いを感じながらも少し厳粛な気持ちになりました。
このような表彰を授与されるにあたっては北海道大学病院 検査・輸血部の部長,副部長,技師長はじめ,部員の皆様の長年に渉る御尽力あればこそで,感謝にたえない所です。
振り返れば40数年前,大学受験の時「こんな所があるよ,授業料も安い」と知り合いに紹介された,まだあまり知られていなかった「北海道大学医学部附属・衛生検査技師学校」を受験し,拾われる様な形で入学したのが,検査技師となるきっかけでした。
学生時代は学生運動の盛んなころで,1年目の半分は授業がなかった事を思い出します。同僚,先輩皆良い人ばかりで,楽しい学生生活でした。
卒業時に補習授業を受けてやっと卒業した私を何故か「北海道大学医学部附属病院・検査部」に入れていただき,ここから検査技師(主に細菌検査部門)としての始まりとなりました。
細菌検査部門への配属当初は,必要品は大体手造りで,一日に検体数が25件も来ると多いと思うような仕事量(現在ではその数倍ですが)で,主たる細菌といえば,大腸菌,肺炎球菌,結核菌という状況でした。
その後,次々と細菌に対する抗菌薬が開発され細菌検査業務は縮小傾向に向かうかと思われましたが,そうはならず細菌の耐性化との戦いへとなっていきました。抗菌薬耐性の黄色ブドウ球菌の出現,水のある所何処にでもいる緑膿菌の感染症原因菌としての出現,抗菌薬に耐性を持たないはずの大腸菌の耐性化の出現,等々現在なお進行中で如何に的確な情報を診療科に送るかという事を細菌検査部門全員で頑張っている所です。そんな時思い出す言葉は先輩に教えられた「細菌検査は古くて新しい検査だ」です。日々精進という事かと思っています。もうすぐ退職という状況になってあまり精進してこなかったなと反省する日々を過している今日このごろです。
最後にあたって繰返しになりますが,検査・輸血部の皆様には本当にお世話になりました。皆様の御多幸と検査・輸血部の発展を祈っています。